近年、夏の記録的な猛暑が続いている中、2025年6月から全ての企業に熱中症対策が義務化されました。
岩手県内の企業でも移動式の休憩所を導入したり、センサーで作業員の状態を確認したりと、対策を強化しています。
熱中症による死亡災害の増加を受け、企業に6月から義務付けられている熱中症対策。
湿度などをもとに算出する「暑さ指数」が28以上に達しているか、気温が31℃以上の環境で連続1時間以上または1日4時間を超える作業が行われる場合に対策が求められています。
盛岡市新田町にある跨線橋の補修工事現場です。
県から工事を請け負う建設会社「タカヤ」では、6月から熱中症対策として現場の作業員向けに移動式の休憩所を導入しました。
内部にはエアコンが設置され、涼しい環境で体を休めることができます。
また作業員用に体の温度を測定する腕時計型の機器も導入し、深部温度が熱中症などのリスクが高まるとされる37.8℃以上に達すると、音や振動などで通知し対策を促します。
8月8日取材した時間帯の暑さ指数は「警戒」を示す25、作業員は対策が取られた環境のなかで工事を進めていました。
作業員
「立ちくらみしたりとかたまにある。暑い中作業しているので休憩所や飲み物はすごくありがたい」
さらに現場には気象条件を検知するセンサーとカメラも設置されていて、その値や作業の映像は現場から離れた場所にある事務所で常に確認できる状態となっています。
暑さ指数が28以上になった場合には、事務所から一旦作業を止めるよう遠隔で連絡するほか、少なくとも30分ごとに休憩を取るよう呼びかけて、熱中症を予防しているということです。
タカヤ橋梁補修工事現場責任者 小向啓太郎さん
「年々暑くなってきて今年も非常に暑い日が続いている。作業員が倒れてしまうと現場の作業も止まりますし、作業員の家族にも迷惑をかけしてしまうので、しっかりやっていきたい」
厚生労働省によると、熱中症による死亡災害のほとんどは初期症状の放置や対応の遅れによって発生しているとされています。
記録的な猛暑が続く近年、こうした取り組みはまさに不可欠なものとなっています。