2025年2月に発生した岩手県大船渡市の山林火災で犠牲となった90歳の男性の遺族が8月14日に墓参りを行いました。
遺族は「ゆっくり休んでほしい」と静かに手を合わせていました。
大船渡市三陸町綾里にある墓地では、14日、山林火災の遺族が墓参りに訪れました。
墓に水をかけ念入りに清め、亡き父を思い花を手向けた松川悦子さん(62)。
松川さんは、2025年2月26日に発生した山林火災で父親の柴田吉郎さん(90)を亡くしました。
柴田さんは綾里にある自宅から避難している途中で亡くなったとみられ、手には松川さんがプレゼントしたかばんを持っていました。
父親が亡くなってから初めてのお盆を迎えた松川さんは、いまだやり切れない思いを抱えつつ、安らかに眠ってほしいと静かに手を合わせました。
父を亡くした 松川悦子さん
「ゆっくり休んでねという感じ。やっと火事が落ち着いてきたから。会いたいには会いたいけどしょうがない、こればかりは」
寂しさが残る一方、火災の発生から半年近くがたち、前を向いて生きる思いも強くなったと語ります。
父を亡くした 松川悦子さん
「あの火事のことは思い出されるけれども、思い出したからといってどうすることもできないし前に進むしかない。(父親も)私が悲しんでいるのは見たくないと思う。つらいことを思い出すと滅入ってしまう。だから明るく過ごさなきゃね」
松川さんは「父親を心配させないために月命日の26日もいつも通り過ごしたい」と話していました。