大阪・関西万博のアンゴラパビリオンの工事を無許可で請け負った疑いで、大阪府警はきょう=13日、建設業者に家宅捜索に入った。
なぜ無許可で工事を進めたのか?疑惑の渦中にある業者の言い分とは。

■アンゴラパビリオン工事「一六八建設」無許可で請負疑い
開幕から4カ月が経った大阪・関西万博のパビリオン工事をめぐって、捜査のメスが入った。
大阪府警がアンゴラパビリオンの建設で下請け業者として入っていた「一六八(いろは)建設」の社長の自宅など数カ所を建設業法違反の疑いで家宅捜索したのだ。
建設業法上、500万円以上の工事を請け負う場合は大阪府か国の許可が必要ですが、捜査関係者によると、「一六八建設」の社長は、ことし1月ごろ、無許可で内装工事などをおよそ1億2000万円で請け負った疑いが持たれている。
大阪府はすでに先月、「一六八建設」を30日間の営業停止処分としている。

■社長は取材に「任せた担当者が申請を怠った 開幕間に合わせるのに仕方なかった」
一体なぜ、無許可で工事を進めたのか?社長を取材に次のように答えていた。
一六八建設の社長:『すぐ申請してくれ』というのは、担当者に伝えていたが、うやむやにされつつ、『まだ出せません、まだ出せません』という形で…免許持っていないから、あかんのはわかるけど、今僕ら抜けると確実に終わらない。工期が終わらない。
社長は「許可の申請を任せていた経理担当者が申請を怠っていて開幕に間に合わせるために無許可での工事は仕方なかった」と釈明した。

■担当者「申請を頼んでいた建築士と仲たがいして許可の申請ができなくなった」
一方、”申請を怠っていた”とされる元経理担当者の男性は、申請を頼んでいた建築士と仲たがいをし、許可の申請ができなくなったと主張した。
元経理担当者:(去年)11月、12月ぐらいから申請書作り出して。2月に『出せますよ』という段階になったときに、『許可使わせません』と。それで(免許)取れなくなる流れです。

■一六八建設は下請けへの工事費未払いでも問題に それを巡って担当者を刑事告訴も
「一六八建設」を巡っては、下請け業者に対し合わせておよそ1億円が未払いになっている問題もある。
一六八建設の下請け業者:『お支払いは全然問題なくできますよ』という話を受けていたので、いざ蓋開けてみたら入金がない。
その理由について社長は経理担当だった男性が会社の口座からおよそ1億2000万円を横領したと主張し男性を刑事告訴する事態となっている。
警察はきょう=13日の家宅捜索で書類など100点以上を押収していて詳しい経緯を調べている。

■一六八建設よりも”上”二次下請けに許可確認の必要 橋下氏指摘
無許可工事を巡っては、吉村知事が「無許可工事の疑いで他にも3件調査中。許されるべきではない。厳しく対応する」とこれまでに話している。
弁護士で元大阪府知事の橋下徹さんは、一六八建設が工事を請け負った、二次下請けに当たる会社に「許可の確認の必要があった」と指摘した。
橋下さん:万博はすごい大規模イベントで、(工事が)期間も迫っていたので、たくさんの業者が一気に入ってきたっていうのは事実なんですよ。そこにやっぱり無許可だったっていうの(要因)があるんでしょうね。
橋下さん:博覧会協会からすれば、その業者を全部自分たちで調べるわけにはいかないと。協会は公の存在だから、『全部チェックしてよ』と思いがちなんですけども、一六八建設の上に二次下請けがいます。1つ上の業者が自分が使う下請け業者の許可を全部チェックしなきゃいけない。
橋下さん:ただ博覧会協会という公の組織である以上、やっぱり一定、”努力的”に、何とかこの支払いとかそういうところをサポートしてあげてもらいたいですね。
(関西テレビ「newsランナー」2025年8月13日放送)
