記録的な猛暑が続くこの夏、新型コロナウイルスの感染が福岡県内で再び広がり始めている。お盆休みに入り人の移動が増える中、医療機関は改めて注意を呼びかけている。

発熱外来に次々と患者が…
福岡市西区の「やまもとホームクリニック」。朝から発熱外来を訪れる患者が後を絶たない。
診察にあたるのは山本希治院長。「今回、検査させてもらったらコロナになっているんですよね」と患者に検査結果を説明する。「職場で3人くらい(コロナ感染者が出た)」と話す患者。「職場で3人くらい出ている?それからでしょうね」と院長は応じた。

感染者は3週間ほど前から急増
このクリニックで新型コロナの患者が急増したのは3週間ほど前から。この日も午前9時の診察開始からわずか1時間あまりで15人ほどがやって来た。山本希治院長は「そのなかでコロナの方は半分以上はいる感じ」と話す。
福岡県の集計でも感染拡大の傾向は明らかだ。8月3日までの1週間で県内の定点医療機関から報告された県内の感染者数は894人と前週の1.38倍に増えている。

要因は「猛暑とエアコン」
感染が再び拡大している背景には、この夏の猛烈な暑さがあると山本院長は指摘する。「特に今年は猛暑ですので、これまでのようにマスクをして生活するのが難しい。ノーマスクでの会話が増えれば、感染は広がりやすくなる」。
さらにエアコンが効いた室内は換気がおろそかになり、ウイルスが滞留しがちなことも感染リスクを高める一因だという。
こうした状況で、多くの人が帰省や旅行で集まる「お盆」を迎える。クリニックではすでに、帰省先で感染したとみられる患者もいるという。

「体調異変感じたら長時間接触を避けて」
どのように対応すればいいのか。山本院長は基本的な感染対策を徹底を呼びかける。「感染対策は今まで通り。しっかりとした手洗いやうがいを改めてお願いしたい。もし体調に異変を感じた場合は、重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患を持つ家族や知人との長時間の接触は避けるべきです」(山本院長)。

楽しいはずのお盆の帰省や夏のレジャーが感染を広げる場とならないよう、一人ひとりの慎重な判断が求められている。
(テレビ西日本)