熊本・玉名市で11日午前6時半ごろ、激しい雨が降る中、冠水した道を歩く2人組。
ひざ下まで水位が達していることが見て取れます。

市役所前の道は、大規模な冠水被害で車の通行ができない状況となっていました。
午後4時前まで、大雨特別警報が出されていた熊本・玉名市では、6時間降水量は観測史上最大の370.5mmとなり、8月の平年雨量の2倍以上の雨が降りました。

お盆休みがスタートする3連休を襲った豪雨災害。
10日から11日にかけ、九州地方では線状降水帯が相次いで発生しました。

熊本県では、これまで経験したことのないような記録的な大雨となっています。
午前7時ごろの上熊本駅近くの映像では、車が4台水没して動けなくなっている様子が確認できます。
冠水した交差点で止まってしまった車は、タイヤの半分まで水が押し寄せ、場所によってはタイヤの上まで水が上がり、ドアが開いた状態の車もありました。
また、午前4時過ぎから止まったままの車もありました。

午前4時過ぎから車内にいる人:
エンジンは押しかけすればかかるかなという感じですけど。(Q.逃げなくて大丈夫?)たぶん大丈夫って思うんですけどね、こっちが上がり気味になってるから。向こうだと危ないが。

熊本県内では、10日夜から雨が強まりだしました。
10日午後9時45分ごろの熊本・菊池市内では、バケツをひっくり返したような雨が降り続け、雷の音も聞こえました。

午後10時過ぎ、熊本市内にあるマンションの中庭でも、水がくるぶし位までたまって池のようになり、雷も鳴り続けていました。

夜空が光る雷とともに、激しさを増す雨。
11日の未明には道路が川のように冠水し、走行する車が大きな水しぶきを上げていました。

午前0時半ごろの熊本市北区では雨がさらに強くなり、旧国道3号線には車が冠水状態で2台止まっていました。
さらに、熊本市中心部に向かう車も1台、ハザードをつけて止まっていました。

冠水していることをドライバーに伝える消防隊員。
車はUターンするなど、深刻な状況となっていました。

午前1時過ぎには住宅街が冠水し、腰まで水に漬かって歩く3人組や、もも付近まで漬かって歩く人など、雷が鳴り響く中、避難する様子が見られました。

午前3時ごろ、冠水したアーケードには多くの人の姿が。
大雨の影響で家に帰れなくなってしまったといいます。

熊本県では一時、7つの市と町に大雨特別警報が出されました。
熊本市では、午前3時50分までの6時間で、観測史上最大となる295.5mmの雨が降りました。

記録的な大雨による人的被害も相次いでいます。

斜面の土砂が大きく崩れ、巻き込まれてしまった熊本・甲佐町で発生した土砂崩れ現場。
11日午前4時20分ごろ、車で避難をしようとしていた親子4人が土砂崩れに巻き込まれました。

母親と子供2人は救助されましたが、父親が行方不明となっています。

また、熊本・美里町には午前3時ごろ、住宅に土砂が流れ込み、住人の男性が取り残されました。
午後4時30分現在、救助には至っていませんが、男性の意識はあるということです。

熊本市内を流れる一級河川の緑川。
午後0時半過ぎの映像では、対岸ギリギリまで川の水が押し寄せている様子がわかります。

通常時と比べると、水量が増えていることが見て取れます。
氾濫の恐れがあるとして、氾濫危険情報が出されています。

多くの観光客が移動する3連休。
大雨による交通の乱れで、混乱が起きていたのがJR博多駅です。

九州新幹線や在来線の一部が、11日始発から運転を見合わせていました。

キャリーケースを引く人たちで、駅構内がごった返し。
中には床に座り込む人、寝ている人、カップ麺を食べ、再開を待つ人たちの姿が見られました。

みどりの窓口には300人以上が順番待ちをしていました。

午前7時過ぎにJR博多駅にいた野球チームのメンバーは、九州に試合の遠征に来ていて、10日に帰るはずでしたが「きのうもずっとここで新幹線(チケット)取り直すの待ってて、33人ホテル取り直して、きのう1日泊まってました」と話していました。

福岡県内では、9日から線状降水帯が6回発生するなど、記録的な大雨に見舞われています。
10日の北九州市では、階段から滝のように雨水があふれ出していました。

福岡県でも「高齢の男女2人が川に流された」と通報があり、警察と消防が捜索を続けています。

10日の山口・下関市では、川のように冠水した道路を走る車が大きな水しぶきをあげ、水の波が次々と歩道側に押し寄せていました。
住宅街にも茶色い水が流れ込み、被害が拡大していました。

10日夜の大分・日田市も局地的な大雨に見舞われ、視界が白くかすむほどの激しい雨が降りました。

3連休の最終日は、関東も荒れた空模様に。
人気の観光地、神奈川・箱根町では、風が強い中、車が動かないため歩いて大涌谷に向かう人たちがいました。

大渋滞の中たどり着いた箱根観光の目玉スポット「大涌谷」は、台風が接近した時のような強い風が吹き荒れ、体が風で持っていかれるヒヤリとする瞬間もありました。

観光客の撮影スポットである“黒卵”周辺は、風に耐えながら必死に写真撮影する様子が見られました。

関東では、11日夜にかけて断続的に雨が降る見込みです。
12日も前線の影響で、都心も傘が手放せない空模様となりそうです。

大雨の3連休となった九州では、長崎市の原爆資料館もロビーなどが浸水し、11日午後1時から臨時休館となりました。

午後3時過ぎに、気象庁は11日夜遅くから12日の朝にかけ、長崎県で線状降水帯が発生する恐れがあると発表しました。

熊本県は引き続き、土砂災害などに警戒が必要です。