夏休みに小学生が“働く”を体験する取り組みが首都圏の商業施設で始まりました。
キーワードは「本物」。そこには、受け入れる側の企業が本気になる今どきの理由も見え隠れします。
元気いっぱいに挨拶するキッズたち。
抽選で選ばれた3人は、街のパン屋さんでお仕事体験。
看板商品のパン作りにも挑戦しました。
焼き上がったパンにクリームを詰める作業。
好きなことに向き合うキッズたちは真剣そのものです。
保護者は「とてもうれしそうに生クリームをしぼったりして、すごく楽しそうで良かったと感じた」と話しました。
川崎市のFM放送局では、子供たちがアナウンスに挑戦していました。
ラジオ局担当者:
まず東急スクエアの館内放送。(館内の)上から流れる音の収録をまずしたいと思います。自分の口と拳2個分(マイクから)離して話そうか。近くでしゃべっちゃうとパンパンって音が入っちゃう。録音する時に。
商業施設で流れる館内放送の収録にキッズたちがチャレンジ。保護者たちも子供たちの姿を温かく見守ります。
ラジオ局担当者:
オッケー、完璧。これでみんな、めっちゃうまいね!
プロからのお墨付きに子供たちも笑顔。
この館内放送は9日から期間限定で流れています。
688人分の体験枠に対して8546件の申し込みがあったという人気ぶりに主催者は…。
株式会社東急モールズデベロップメント SDGsプロジェクト・五十嵐みゆきさん:
普段なかなかできない貴重な体験を通じて“子供の成長が感じられた”といった声をもらっている。
お仕事体験に参加した子供は「すごく緊張したけど後からちょっと慣れてきて楽しいなって思った」と話しました。
3年以内に新卒の約3割が離職している日本。
専門家は、キャリア教育の問題点を指摘します。
立教大学・経済学部 柏木理佳特任教授:
日本の学校教育では将来の仕事について考える機会が少なく、そのため労働市場では需給バランスが崩れている。職業体験は働くことへの意識を育て、適性が見え、仕事のミスマッチ解消につながる。子供たちが自分らしい将来を築く上で大きな助けとなる。
働くことの楽しさを知った夏休み。
この経験が、子供たちの未来を切り開く力となります。