日本への15%の相互関税が発動される中、合意内容をめぐって日本とアメリカの認識に食い違いが起きています。
世界経済への影響が懸念されているトランプ政権による相互関税。
日本時間の7日午後1時1分に発動され、日本に対してはこれまでの10%から15%に引き上げられました。
その新たな相互関税について日米の認識の食い違いが早くも表面化しました。
アメリカとの合意内容について日本政府は、関税が15%未満の品目は一律15%に引き上げ、15%を超える品目は現行の税率を据え置くという特例措置の適用で合意したと説明しています。
しかし、相互関税発動後に開かれた自民党の関税対策本部で小野寺政調会長は「関税特例が日本にも適用されるということで承知していたが、通常の関税に加えて15%が上乗せされているのが今の状況である」と述べました。
アメリカの官報には「日本からの全ての輸入品に15%の相互関税を上乗せして課す」と記載されていたのです。
こうした状況について石破首相は「適用が開始された大統領令を修正する処置を直ちに取るように米側に強く求めているところである」と述べました。
石破首相は合意内容について「日米間に齟齬がないことは米側と確認している」との認識を示しました。
その上で、従来から関税率が15%以上の品目には関税が上乗せされないとの合意がアメリカの大統領令などに反映されていないことから、必要な措置を米側に対して強く求めると強調しました。
また、6日にアメリカでラトニック商務長官と会談した赤沢経済再生相も「合意内容を改めて確認し直ちにその内容を実施するよう求めた」ということです。
こうした中、トランプ関税によってトヨタ自動車など自動車大手7社の2025年度の営業利益が合わせて約2兆6000億円消失する見通しであることが分かりました。
トヨタは決算発表で2025年度の営業利益が1兆4000億円押し下げられるとの見通しを発表した他、ホンダは4500億円、日産は3000億円などとそれぞれ影響額を見込んでいます。
日米両政府は日本車に対する関税を27.5%から15%に引き下げることで合意していますが、その時期は決まっていません。
多くの社が8月から15%になる前提で見積もっていて、引き下げが先延ばしになればさらに影響が拡大する恐れがあります。