自民党は8日に両院議員総会を開催する予定にしている。石破首相の退陣を要求する「石破おろし」も収まらない中、その行方はどうなるのか。永田町の取材では定評があるジャーナリストの鈴木哲夫さんが解説する。

両院議員総会では何が決まる?

川崎健太キャスター:
8日の自民党の両院議員総会が1つの山場とも言われていますが、8日に石破首相の立場とか進退とか何か決まることはあるんですか?

鈴木哲夫さん:
この前、開かれたのは「懇談会」、懇談だからみんな好きなこと言ってもいいよというただの集まりだったと思ってください。 だけど今度の「総会」となると党として議決というのができることになるんですね。

そうすると石破さんの進退について何か議決するのかということですが、 私が取材している限りでは、執行部としては、この進退に関しては党則でリコールのやり方が決まってるんですよね。だから、総裁選前倒しとか石破さんを辞めさせるとかであればその党則にのっとってやることであって、8日の総会はそういうことに関しては議決をしない。あくまでもいろんな意見を聞き、そして石破さんが答えると言っています。 だから「石破さんは降りるべきだ」という意見は若手なんかを中心にもちろんけっこう出ると思います。

石破さんには 節目節目で直接取材していますが、続投の意欲は変わっていないし、戦後80年にメッセージも出したいし、 辞めるわけにはいかない。だからきちんと説明するといってる。だから8日はヤマではあるけれども、 本当のヤマはもっと先かなという気がしますね。

“キングメーカー”3人は「様子見」か

川崎キャスター:
選挙の直後に会談した元総理の3人、菅さん、麻生さん、岸田さんのいわゆるキングメーカーたちは今、これをどう見ているんですか。

鈴木さん:
これもあくまで私の取材ですが、何か積極的に流れを裏で作ろうというようにはどうもしていない。ちょっと様子見な感じがします。

麻生さんがいろんなこと言ってるとかニュースになっているけど、麻生さんもちょっと流れをしっかり見なきゃと構えてる感じです。岸田さんはむしろ石破さんに近いかな。だって石破さんが誕生したのは岸田派が決選投票で何十人って…、だから自分が生みの親「キングメーカー」という意識があるわけですよ。だから石破さんをそのままで、これからもキングメーカーぶりでいくっていうかね。どっちにしてもこの3人は黙ってる。

むしろ動いてるのは旧安倍派と旧茂木派。この辺の人たちっていうのは、はっきり言って安倍さんと石破さんはバチバチでしたから、それから茂木さんなんかもやっぱり次を目指している。 取材では、こういうところが「石破おろし」の流れを作ってる感じもありますね。

石破首相にとっての「山場」は

川崎キャスター:
参院選直後に比べると「石破おろし」のトーンはちょっと落ちてるように感じられますが、 FNNの世論調査でも石破さんの進退に関して「辞任すべき」(47.7%)と「辞任しなくてよい」(44.2%)が拮抗してるんですね。 他の調査では「辞任しなくてよい」が上回っているケースもあって、今後注目ですが、となると今後、石破さんにとっての山場はいつになるんですか。

鈴木さん:
山場はとにかく8月中に自民党が参議院選挙の総括をすると言っていて、総括というのはただ参議院選挙だけじゃないんだと。これまでの自民党が何をやってきたのか、裏金問題もそうでしょう。こういうこともきっちり総括しなきゃいけないと。 だからおそらくこの世論調査の結果も、「石破さんを降ろすだけじゃないよ。 自民党はもっと根本的に反省をちゃんとしろ」ということをやれというのが僕は世論だと思うのでね。

ポイントになるのは 8月中にあるこの参議院選挙総括、森山さん(幹事長)はこれで辞めるかもしれないって言ってるけれども、 これもまだわかりません。ここがやっぱり最大の石破続投うんぬんの山場になると思いますね。

川崎キャスター:
森山さんが仮に辞めるとなったとしても、一緒に石破さんが辞めるのか、それとも森山さんが身代わりのような形で責任を取るのか、この辺は?

鈴木さん:
森山さんの腹の中がまだ読めないんですよね。だけど、森山さんは今、一生懸命石破さんのために秋の臨時国会に流れを作ったりしてるんですよ。 だからこれは、「自分が辞めて石破さんをそのままいけるようにしようとしてるんじゃないか」という見方もあるし、「もうここまでやったんだから、あとは知らないぞ」と見放すのか、森山さんの胸中も非常にポイントなんですよね。

川崎キャスター:
本当にこれから2~3週間が山場ですよね。

(2025年8月7日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)

テレビ西日本
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