連日の水不足から一転、大雨によって、小矢部川では「氾濫危険水位」を超えたほか、人的被害・浸水被害が相次ぎました。
未明からの大雨を振り返ります。
*リポート
「午前2時すぎの氷見市中心部です。5分ほど前から雨脚が一気に強まり、体に雨が叩きつけています」
7日の未明から県内に降り始めた大雨。
時間を追うごとに強さを増し、氷見市では午前9時前までの6時間降水量が134ミリと、観測史上1位を記録しました。
北陸上空の前線の影響で県内は6日夜から大気の状態が不安定に。
活発な雨雲が次々と流れ込み、局地的には1時間に50ミリを超える非常に激しい雨が観測され、朝の10時ごろまで降り続けました。
この大雨で人的被害が出ました。
道路の浸水が相次いだ高岡市では、野村地区の国道8号のアンダーパスで車が水没。
運転していた81歳の女性が意識不明の状態で発見され、病院に搬送されました。
女性はその後、意識が回復しましたが、予断を許さない状況だということです。
同じ高岡市では、50代の女性が自転車で走行中、側溝にはまって転倒し、軽傷だということです。
また、黒部市でも荻生地区の81歳の男性が自宅2階の屋根で雨漏りの修繕作業中に転落。
病院に運ばれましたが、頭の骨を折るなどして意識不明の重体だということです。
こちらは7日未明の小矢部川、定点カメラの映像です。
水位が徐々に上昇し、5.8メートルの氾濫注意水位を午前6時20分に超えました。
さらに水位の上昇は続き、周辺自治体が避難勧告や避難指示の目安とする7.3メートルの氾濫危険水位を午前9時10分に超えて以降、午後1時50分に7.88メートルのピークとなり、下降に転じました。
この地点、普段の水位はおよそ3メートル、7日は普段の倍以上の水位となる4メートル以上も水かさが増していました。
*リポート
「普段は今の水位よりも7、8メートル下にあるということなんですが、かなり水位が上がってきまして、橋の下にぶつかっています」
周囲には川の堤防を超えた水で道路が冠水。
道路沿いの住宅や倉庫も水に浸かっていました。
そして、あふれた川の水が流入し、稲穂が冠水した田んぼです。
降水量が少なく日照り対策に頭を痛めていた6日までとはうってかわって、コメ農家にとって目を覆いたくなるような光景です。
*農家
「水が引いた後、ごみが稲にひっかかってそのまま残る。それが心配。減収にならなければいい」
稲が水に浸かった場合、細菌の繁殖により、白葉枯病が発生するおそれが高まるため、県農業研究所は素早い排水や農薬散布などの対策を呼びかけています。
近くの鉄工所では。
雨に供え、扉の前には土嚢を準備していましたが、雨の威力が勝りました。
*ヨツヤ鉄工所 四津谷武治さん
「機械は一部モーターがやられた。水がひかないとどうしようもない」
BBTのまとめでは午後5時現在、少なくとも床下浸水が9件確認されています。
小矢部川が氾濫危険水位を超え、土砂災害警戒情報も発表された小矢部市、高岡市、射水市の一部の地域で一時、避難指示が出されました。
このうち、射水市庄西地区358世帯を対象に避難所となったコミュニティセンターには高齢者や夏休み中の子どもなど約30人が身を寄せました。
*避難した住民
「(雨が)めっちゃ強かった。雨がどんどん、一瞬怖かった」
「仕事へ行っていて避難指示が出たので。雨はそんなでもないが、小矢部川の水かさ、氾濫危険水位のレベル4と言われたら」
7日は南砺市でも高齢者等避難情報が出され、氷見市では自主避難所が開設され、午後▲時▼分までにすべて解除となっています。