2020年からことし秋田市で発生した住宅火災の件数を見ると、2024年は24件発生していて、このうち電気器具類が出火原因となったのは4件。ことしは7月までですでに2024年1年間と同じ4件となっています。
割合で見てみると、2024年は全体の17パーセントに対し、ことしは7月までで25パーセントに上っています。
暑い時期に気を付けなければいけないのは、住宅火災だけではありません。暑さをしのぐアイテムとして人気が高いハンディファンの使用にも注意が必要です。
リチウムイオン電池を搭載した製品は、正しく使用しなければ発火する可能性があります。消防が実験で危険性を確かめました。
リチウムイオン電池は、充電ができる上に一般的な電池よりも小型で軽いのが特長です。パソコンやモバイルバッテリーなど身近な製品に使用されていますが、強い衝撃を受けたり高温になる場所に長時間置いたりすると発火する可能性があります。
秋田市消防本部は、リチウムイオン電池を搭載したハンディファンに衝撃を加えるなどの実験で危険性を確かめました。
はじめは、ハンディファンの落下実験です。誤って落としてしまった場合を想定し、ハンディファンを落下させます。実験では目立った変化はありませんでしたが、強い衝撃で壊れ、発火などにつながる恐れがあるため、落としてしまった場合は状態をよく確認するなど注意が必要です。
続いては、2つのハンディファンを熱し、人工的に高温の状態を作り出します。駐車した車のダッシュボードに置いた場合を想定しています。
加熱開始から2分半が経過し、ハンディファンの表面温度が80度を超えると、一方は電池ではなく本体の樹脂から火が出ました。
もう一方は熱を加えてから17分。表面温度が94度を超えると煙が出始め、バッテリーが破裂。火が出ました。
続いてはモバイルバッテリー。落下させた後、工具で圧を加えます。すると、カバーが盛り上がり変形したものの、温度は変わりませんでした。
ところが、釘を刺して壊れた状態を再現すると、たった40秒で煙が出始め、2分を過ぎると表面温度は91度に。その10秒後には、内部が燃焼しているのが分かります。
また、消防は暑い時期の住宅火災にも注意を呼びかけます。湿度が高い時期は、家電のプラグから火が出る恐れがあります。電源プラグの突起部分の間に湿気を含んだほこりなどがあると発火し、最悪の場合住宅火災につながります。コンセントにごみが溜まらないよう、日頃から気を配ることが重要です。
秋田市消防本部・大塚豪予防課長:
「リチウムイオン電池を含む製品の廃棄に伴う火災も増加傾向にある。廃棄する時は市の回収ごみに出さずに家電量販店などの回収協力店に持参してほしい。火災予防に努め便利で生活の基盤である電気を安全に大事に使ってほしい」
リチウムイオン電池は、膨らんでいる場合や充電しても電気が溜まりにくい場合は、電池が劣化している可能性があります。買い替えの目安にしてください。