国内で恐竜化石と言えば…福井県勝山市だが、そのお隣の大野市で、国内最古レベルのトカゲ類の化石が発見された。中部縦貫自動車道の工事現場から出る岩石から見つかったもので、新種の可能性もある。恐竜時代の生物多様性の解明に期待がかかっている。

トカゲ類の上顎の骨が見つかる

県立恐竜博物館は、大野市と共同で中部縦貫自動車道の工事現場から出る岩石を調査している。今回、荒島岳の東側の約1億2900万年前の前期白亜紀の地層から化石が見つかった。
 
発見されたのは約1センチの化石で、トカゲ類の「ドリコサウルス科」の左の上顎の骨。水辺に生息し、ヘビのような細長い体型のトカゲで、体長は30センチから40センチほどと推定されている。 

ドリコサウルス科
ドリコサウルス科
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生態系の手掛かりとして期待

CTスキャンで調べたところ、歯の形状が前後で違うことから「ドリコサウルス科」であるとの判断につながった。トカゲ類としては国内最古級で、新種の可能性も高いという。
    
恐竜が生きていた時代の、生態系の豊かさを知ることができる重要な資料として期待が高まっている。 

新種の可能性も高い
新種の可能性も高い

県立恐竜博物館の築地研究員は「勝山市では恐竜化石がたくさん見つかっているが、今回、大野市で恐竜の化石が見つかる場所から新たにトカゲ化石が見つかったということで、より詳しく福井の恐竜時代の歴史が分かるようになったのではないか」と期待を込める。

学芸員たち
学芸員たち

発見された化石は、大野市の和泉郷土資料館で展示されている。  

福井テレビ
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