石破首相は6日、訪問先の広島市で、自動車大手「マツダ」社長らとアメリカの関税措置による影響などについて意見交換した。
広島選出の岸田前首相も同席し、後任首相に異例の「お願い」を連発した。
冒頭、石破首相は「前内閣時代にやっていた賃上げや投資に、ようやく明るい兆しが見えている。この動きは止めてはならない」と、隣に座る岸田前首相の成果を披露して持ち上げた。
一方の岸田前首相は、日米合意について「関税より投資という考え方で合意したことは幅広い関係者が評価している」と、こちらも石破首相の実績を持ち上げつつ、「合意詳細をしっかり確認していただくことが大事」と指摘した。
そのうえで岸田前首相は、「合意内容の周知」「事業者に寄り添った対応」「自治体や事業者との丁寧な対話や説明」「関係者に対するきめ細かい相談と対応」「丁寧な資金繰り支援等の対応」など数々を、石破首相に「お願い」し、自動車産業については「完成車メーカーのみならず取引先も含めた関係者に対する影響をしっかり分析していただきたい」とも要望した。
石破首相が自民党内からの退陣圧力にさらされるなか、自動車関税の早期引き下げや価格転嫁対策などを求めたマツダの社長をはじめとする広島産業界の重鎮を前に、地元選出の岸田前首相が石破首相に注文をつけた形だ。