JR福島駅新幹線ホームでの”あるある”…「東京行きは14番線か…あれ?この前は違うホームだったよな」…発車時刻で乗車ホームが変わるというこの問題を解消すべく、今「アプローチ線」の工事が進められている。

東日本の大動脈・東北新幹線
1982年6月23日、盛岡と大宮を繋ぐ東北新幹線が開業。福島ー郡山間の所要時間は従来の約40分から約15分に短縮され、私たちの生活を大きく変えた。
その後 東京までの延伸を経て、1992年には山形新幹線が開業。利便性が向上していった。

問題解決のための工事すすむ
今、福島駅周辺では大規模な工事の真っ只中。工事をしているのは、JR福島駅に繋がる線路。完成後は山形から「到着」する新幹線が通り、JRにとっては山形新幹線開通以来の悲願とも言える。

一見、正常に動いているように見える福島駅のホームだが、一体何が問題なのか?テレビカメラとしては初めて、工事の現場に潜入した。

山形新幹線が関係
現在、福島駅のホームにかかる新幹線の線路は、東京方面の上り(11番線・12番線)と仙台方面の下り(13番線・14番線)の合わせて4つ。

しかし、問題は14番線…下りであるべきホームに、上り列車が入らざるを得ない構造になっている。それは山形から福島駅に入る線路が1本に限られているから。

山形新幹線「つばさ」は、山形から到着する時は14番線のホームに入線。その後、東京方面へ向かうには、仙台方面…つまり下りの線路を横断する必要がある。ここが問題点。

少しの遅延でも他の運行に影響
山形新幹線は、雪や雨、動物との衝突で遅れが生じやすい。もし遅れてダイヤが乱れると、仙台方面に向かうため福島駅に到着・通過する列車と、鉢合わせになってしまうことがある。

すると、ホームから列車が出発するのを待たなくてはいけないため、仙台方面の列車に遅れが生じたり…先に仙台方面を通過させると、ホームにいる列車にさらなる遅れが出たりする。

この遅れは、福島から東京への到着が遅れるだけではなく、状況によっては金沢や新潟から東京へ向かう列車の遅れにも繋がる恐れがある。

また、一見何気なく行われている連結。仙台から来た「やまびこ」は線路を横断してホームへ。その後、山形から到着した「つばさ」と連結することから、列車同士がぶつからないよう、制約のあるダイヤを組む必要さえある。

問題解決!アプローチ線
そこで作られているのが、新たな「アプローチ線」 これによって、どんな場合でも線路を横断する必要がなくなり、さらなる遅れの解消やより柔軟なダイヤ設定が期待されている。

今後、行われる工事では、クレーンで吊り上げて線路を渡すという。つまり、駅北側の陸橋の上に新たな線路が渡されることになる。

工事の担当者は「新幹線と在来線、奥羽線、東北本線といった形で挟まれた形での中に、こういう線路をひくということが色んな制約を受けた中で、いろいろ技術検討をして、今回ようやく技術的な見極めがついたので工事に着手している」と話す。

山形新幹線が開業して31年。こぎつけたアプローチ線着工の裏には、技術的な進歩もあった。新たな線路が使われるのは2026年度から。たった1本されど1本のレールが、長年の悩みを解決する。

鉄道ファンも熱視線
使用が開始されれば、JR福島駅の新幹線改札を入って右側は東京方面の上り、左側は仙台方面の下りと統一されるので、わかりやすさも増す。新アプローチ線の勾配も日本随一ということで、鉄道ファンの注目ポイントにもなっているそうだ。

(福島テレビ)