広島への原爆投下から80年となる6日、石破首相は広島の平和記念式典に出席し、「核戦争・核兵器のない世界」と恒久平和の実現への決意を示した。

式典の挨拶で石破首相は、「今から80年前の今日、一発の原子爆弾が炸裂し、十数万ともいわれる貴い命が失われた。一命をとりとめた方々にも、筆舌に尽くし難い苦難の日々をもたらした。」と改めて振り返った。

そして、「原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊に対し、ここに謹んで、哀悼の誠を捧げる。」とした上で、現在も被爆の後遺症に苦しむ方々にお見舞いの言葉を述べた。

また、自身がおととし9月、改装後の広島平和記念資料館を訪問した際、原爆が人々の夢や未来を瞬時に容赦なく奪ったことに言葉を失ったと続け、「広島、長崎にもたらされた惨禍を決して繰り返してはならない。非核三原則を堅持しながら、『核兵器のない世界』に向けた国際社会の取組を主導することは、唯一の戦争被爆国である我が国の使命だ」と強調した。

石破首相は、現在の国際情勢について「核軍縮を巡る国際社会の分断は深まり、現下の安全保障環境は一層厳しさを増している。」と分析し、「国際的な核軍縮・不拡散体制の礎である核兵器不拡散条約(NPT)体制の下、『核戦争のない世界』、そして『核兵器のない世界』の実現に向け、全力で取り組む」と、改めて誓った。

そのうえで、来年のNPT運用検討会議に向けて「対話と協調の精神を最大限発揮するよう、各国に引き続き強く呼びかけ、『ヒロシマ・アクション・プラン』に基づき、核兵器保有国と非保有国とが共に取り組むべき具体的措置を見出すべく努力を続ける」と決意を示した。

また、「『核兵器のない世界』の実現に向け歩みを進める上で土台となるのは、被爆の実相に対する正確な理解」として、去年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会に対し「極めて意義深く、改めて敬意を表す」と述べたうえで、「世界各国の指導者や若者に対し、広島・長崎への訪問を呼びかけ、実現に繋げる。日本だけでなく、世界の人々に被爆の実相を伝えていくことも、私たちの責務だ。」と呼びかけた。

一方、被爆者の支援については、「『原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律』は、施行から30年を迎えた。原爆症の認定について、できる限り迅速な審査を行うなど、引き続き、高齢化が進む被爆者の方々に寄り添いながら、保健、医療、福祉にわたる総合的な援護施策を進めていく。」と述べるにとどめた。

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