越前市の服飾メーカーが、地元の高校生と共に古着を使ったリメイク商品の開発に取り組んでいます。大正ロマンをテーマに斬新なデザインが次々と誕生しています。
          
リメイク商品の開発に取り組んでいるのは、ファッションブランド「アクシーズファム」を展開する越前市のアパレル企業「IGA」と、越前市の武生商工高校の生徒たちです。 
  
アパレル業界では売れ残った商品の大量廃棄が問題となっていて、未来を担う若い世代にもこの問題について考えてもらおうと企画しました。 
  
IGAは2020年に衣服の廃棄ゼロを宣言し、古着・リメイク専用ブランドを立ち上げ、2024年8月には越前市内に専門ショップをオープンさせました。
  
今回、武生商工高校商業科の中で商品開発講座を選択した生徒と、美術部の約20人がこの専用ブランドの商品開発に加わります。
  
生徒たちは「大正ロマン」をテーマに6月からデザインの立案に取り組み、この日は、その集大成としてIGAの五十嵐昭順社長らにプレゼンテーションしました。
   
商品の元となるのは、全国のアクシーズファム75店舗で回収された古着や、使われなくなった着物などで、捨てられる運命だった服が様々なデザインで生まれ変わります。
  
生徒のプレゼン:
「スカートにはダリアの花があしらわれています。大正時代に流行した花で、上はシャツに着物の袖のようなパーツを重ねたもので全体に市松模様を使っています」
 
生徒のプレゼン:
「大正ロマンと聞いた時に和と洋の融合だと考えて、和を帯で表し、洋をワンピースで表しました。ワンピースの色は薄い黄色が良いと考えています」
  
プレゼンを聞いた五十嵐社長からは、生徒たちに質問が飛びます。
Q.なぜ薄い黄色-
「華やかな雰囲気を出したいと思ったからです」
  
テーマを受けてアイデアを出し、デザインや素材についてプレゼンを体験した生徒たちは「初めての古着の活用で悩むこともあったが楽しく作成できた。どのように商品化されるのか楽しみ」「良い出来になったと思います」「(選ばれることを)期待しています」などと話していました。
  
五十嵐社長は「斬新でした。大正ロマンをテーマにした和洋折衷の時代。僕の考えでは到底考えつかないアイデア」と感心していました。
  
リメイク作品は、生徒たちが考案したデザインを基にIGAで5点ほどを商品化。12月20日に越前市で開かれるファッションショーでお披露目される予定で、繊維王国=福井の高校生が古着を使ったリメイク作品で「脱・衣服の大量廃棄」を発信します。
       
アパレル業界は環境負荷が非常に大きい産業とされ、2020年の1年間で国内で供給された衣服は約35億着(日本繊維輸入組合調査)、約81.9万トン(環境省調査)で、65%に当たる51万トンが廃棄され、リユースやリサイクルにまわるのは35%にとどまっているということです。

福井テレビ
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