岐阜市の中央卸売市場で7月25日に発生した停電が、28日になっても続いています。冷蔵施設が使えなくなり市場の一部が休場になるなど、影響は広がっています。

■「競り」は暗い中で…停電が続き業者も悲鳴

28日午前5時、岐阜市中央卸売市場で行われたマグロの競りですが、辺りは暗く、スタンド型の照明や手持ちのライトを頼りに行われていました。

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仲買人:
「氷と冷蔵庫を何とかしてほしい、生ものだから。きょうが限界かな、氷は」
「電気が無いと分かりづらいですね。色が判断しにくい。」

 電気がつかない原因が、25日に起きた「事故」です。

 25日夜、市場内を走行中の大型トラックが施設の高架に衝突し、高圧電線が損傷しました。

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 その影響で停電が発生し、28日になっても続いていて、水産物や野菜などを扱う冷蔵施設の一部が使えない状態となっています。

岐阜丸魚の林栄治さん:
「本来冷凍品をここに貯蔵して、注文きたら出すみたいに入れてる冷凍庫なんですけど、全部出しちゃって、停電分かってすぐ全部商品を出した」

 取材した卸業者でも、冷蔵施設の電源が落ちてしまい、空っぽの状態になっていました。市場にある停電の影響を受けなかった別系統の冷蔵施設へと移動させたといいます。

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岐阜丸魚の林栄治さん:
「安心して大丈夫な商品しか出荷はしないので、安心して魚も買ってほしいです。事務所もすべて停電になっているので、お客さんからのFAX発注もできないですし、請求業務も全く止まっちゃっているんで」

 アユの競りに来ていた内藤さんは、市内で鮮魚店を営み毎日市場を訪れ、新鮮な魚を客に提供していますが、今回の停電の影響で廃棄されそうになったタイやカンパチなどを買い取ったといいます。

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鮮魚店「魚ぎ」の内藤彰俊さん:
「すごい数並んでたんです。廃棄するしかないと言っていたので。うちのトラックに積めるだけ積んでという話をして。値段はともかく、魚をいい状態で寝かすことができるので」

■空きスペースが目立つ果物店 入荷されない状況続く

岐阜市で40年ほどフルーツを販売している田中果物店。週に2、3回、市場で果物を仕入れているこの店でも停電の影響が出ていました。

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田中果物店・奥村恵子さん:
「桃がまだ届いてなかったのと、あと冷蔵品ですね、こういうグレープフルーツやオレンジ系の冷蔵品が、市場の冷蔵庫が止まっているので入荷が未定だと言われた」

 冷蔵保存が必要な桃、グレープフルーツ、オレンジが停電の影響で入荷されない状態が続いています。店の冷蔵庫を見せてもらうと、空きスペースが少し目立っているようでした。

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田中果物店・奥村恵子さん:
「いつもならここにもうちょっと積んであるんですけど、グレープフルーツがちょっと入ってこないので、あとはある分で(対応する)」

 特に、人気の桃は在庫が少ないものの入荷されるまでは残された品で対応するしかないといいます。

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田中果物店・奥村恵子さん:
「まだお盆間近ではないので、いまのところは大丈夫なんですけど、冷蔵庫がないと痛みも早くなるので、なるべく早めに復旧してほしいですね」

■全面復旧はまだ…28日午後から冷蔵庫等は動くも

市場では28日午後、天井の明かりがつき、電気が落ちていた冷蔵庫と冷凍庫は動き始めていました。

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 市によりますと、午後に入り一部の施設への電気の供給が確認できたということで、全面復旧を目指し作業を進めています。

岐阜丸魚の林さん:
「まず第一歩で嬉しいですね。向こうの仲卸棟は(電気が)きていないということで復旧が急がれますよね」

 停電は25日午後8時20分ごろに発生し、現在も続いています。30日は元々市場は休みですが、関係者によると「木曜日には停電を復旧できるのでは」と話しています。

東海テレビ
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