石破首相は23日、麻生最高顧問、岸田前首相、菅元首相の歴代総理経験者との会談後、改めて続投を表明。一部で報じられた退陣を否定したが、党内では“石破おろし”の動きが強まっている。続投の理由の一つに挙げていた日米関税交渉が決着を見た今、注目の進退は?
交渉終えた赤沢経済再生相が帰国
24日午後、アメリカとの関税交渉を終えた赤沢経済再生相が帰国し、報道陣の取材に応じた。

赤沢経済再生相:
日米両国の国益に合致する形での合意を実現することができたと考えております。

“トランプ関税交渉”は交渉期限の8月1日が迫る中、電撃合意した。

仕掛けた側のトランプ大統領は交渉について、「日本が市場の開放に初めて同意したことから、関税率を15%に削減した」と明かした。

交渉では日本がアメリカに5500億ドル、日本円で約80兆円を投資することなどでも合意している。
帰国した赤沢大臣はこのあと石破首相のもとを訪れ、交渉について報告する予定だ。
「決して3人が続投認めたということではない」
その石破首相は23日、麻生最高顧問、岸田前首相、菅元首相の歴代首相経験者との会談後、改めて続投を表明。
一部で報じられた退陣を否定した。

石破首相(23日):
私の出処進退に関しては、一切話は出ておりません。
一部にそのような報道がございますが、私はそのような発言をしたことは一度もございません。

3人の総理経験者との会談で、石破首相は「進退の話は出なかった」と述べた。

関係者によると、ある首相経験者は会談後、「進退について直接言及はしておらず、石破総理を引きずり下ろすようなことはない」としつつも、「カッコよくやめるなら本当はきのうだった」「決して3人が続投を認めたということではない」と話したという。

一方で、自民党幹部の周辺は「総理が続投すると言っている中、党内の“辞めろ、辞めろ”という動きが、世論からどう見られるか。マイナスだ」と指摘している
奈良県連が幹事長宛てに意見書「英断をもって党の刷新を」
その党内では、“石破おろし”の動きが強まっている。
24日、自民党奈良県連は森山幹事長宛てに、意見書を出したことを明らかにした。

自民党奈良県支部連合会・井岡正徳幹事長:
石破総裁の辞任を求める声が数多く県内の党員から寄せられております。
これらのことを考えると我が党に対する、県民の信頼を失ったと思われます。
奈良県連五役と協議の上、党本部役員の英断をもって、党の刷新を図っていただきたい。

石破首相に参院選敗北の責任を取っての退陣を求めた。

また、自民党有志は参議院選挙の責任を問うため、速やかに両院議員総会の開催を求める署名活動を行っていて、24日午後5時に締め切るとしている。
金子恵美さん「基本的にはご本人次第」
石破首相の続投表明に波紋が広がっているが、元衆院議員の金子恵美さんはどう見ているのか。
SPキャスター・金子恵美さん:
党内の突き上げはあるが、基本的にはご本人次第だと思う。昨日も退陣を否定されている。報道を否定しているというところを考えても、ご本人としては退陣を世論の流れによって作られたくないという気持ちが強いなと思う。

“石破おろし”の動き、この先どうなるのか。
SPキャスター・金子恵美さん:
自民党内では退陣を求める両院議員総会開催を求めていくということだと思うが、ただ、国会においても今後、政策を前に進めるためには野党の協力が必要なわけだが、野党は「石破政権とは組まない」と明確に言っている。ご本人が言っている“政治の停滞”を招くということですからね。そこを考えていただきたい。
(「イット!」 7月24日放送より)