7月22日は、二十四節気のひとつ『大暑』。1年で最も暑さが厳しいとされる時期だ。「肌が焼けるように熱い」「塩飴を持って歩いている」「1キロごとに水を飲んでいる」等々、熱中症への警戒も必要とされるなか、道行く人々も眉を顰めるほどの暑さが続く。
「この暑さ… 最悪、死んでしまう」
連日の猛暑の影響を受けているのは、人間だけではない。福岡・朝倉市にある永利牧場では約60頭の乳牛を飼育しているが、この暑さで牛たちにも異変が起きているという。

「暑さで、余り牛が餌を食べなくなってきているので、乳量が落ちている」と話すのは、牧場長の近藤博昭さん。

この暑さで牛たちも“夏バテ”して食欲が落ち、搾乳量が減っているというのだ。

「牛たちはかなりバテしている。肩で息をしている。餌を食べてくれないと最悪、死んでしまう」と近藤さんの心配は尽きない。

永利牧場では、大型の扇風機やミストを設置し、さらに牛舎の屋根には遮熱塗料を塗って温度の上昇を抑えるなど、暑さ対策を続けているが、連日の暑さで電気代や燃料費があがっていることに加えて、飼料や資材の価格も高騰。

経営の厳しさや後継者不足から、2024年に5軒あったこの地域の酪農家は、現在は3軒にまで減少している。
コスト高 酪農の現場にも暗い影響
そうしたなか、8月出荷分から大手乳製品メーカーが牛乳の値上げを発表。明治は13品目を約2%~17%、森永乳業も13品目を3.4%~10.1%値上げするとしている。

「乳量が下がっているなか、(周囲の)いろんなものの価格が上がっている。酪農家は、いっぱいいっぱいのところでやっている。そこを理解して頂いて、いつも通り買って頂けたら」と近藤さんは話す。

連日、続く厳しい暑さ。コスト高が続く酪農の現場にも大きな影響を及ぼしている。
(テレビ西日本)