今、痩せる薬としてSNSを中心に話題となっている「マンジャロ」という薬。
本来は糖尿病の治療薬のマンジャロ。
ところが、処方しているクリニックをSNSで検索すると、美容やダイエットのアカウントが多く出てきました。
マンジャロには血糖値を下げ食欲を抑えるなどの効果があるため、一部の美容クリニックなどが“痩せる薬”としてダイエット目的での処方を行っていました。
「イット!」は、ダイエット目的で2カ月ほど前からマンジャロを使用している女性に話を聞くと、女性は「ちょっと興味があってYouTubeとかで検索したら同年代の同じ身長・体重の方がやってるのがあって」と話しました。
ダイエット目的でのマンジャロの処方は目的外の自由診療となるため高額に。
女性が受診した3カ月の医療ダイエットコースの費用は8万8000円。
医師に栄養指導などを受けながら、週1回のペースでマンジャロを自分で注射するといいます。
マンジャロを使用する女性:
本当に簡単でスタンプみたいにおなかにポンって押す感じです。(効果は)かなり出ました。全部で今9kg痩せたんですけど、最初の1カ月で6~7kg落ちて。
驚くほど痩せたという一方で、「胃が痛いとか下痢気味になるとかが1日だけあります。急激に痩せてるから体力が結構落ちて、筋力も落ちてるなという感じがすごくあります。階段上るとすごく苦しいみたいな」と話し、さまざまな副作用もあったといいます。
厚生労働省の担当者は、「自由診療で使うことは違法ではないが、糖尿病の治療目的以外で使うことは安全性が確認されておらず、副作用が生じる可能性もあるので適正な使用を呼びかけている」としています。
ダイエット目的でマンジャロを使い続ける女性は、依存症のような状態を自覚していました。
マンジャロを使用する女性:
打って6日目になると、薬が収まってくるからおなかがすいてくる。ちょっと依存っていうのか分からないけど、「(注射を)打たないと怖いな」みたいな。
こうした中、SNSにはマンジャロの転売とみられる投稿が次々に確認されました。
厚労省は、処方薬の無許可の販売には罰則規定があるとしていて、サイト上で違法な販売を見かけた場合、運営者への指導を行うこともあるなどとしています。
しかし、転売はお隣・中国にも広がっていました。
中国のネット通販サイトを見てみると、日本製の糖尿病の薬が痩せ薬として販売されています。
中国の通販サイトで売られていたのは、日本語のパッケージのマンジャロ。
説明文には「日本から輸入」などと書かれ、価格は2本セットで約1万9000円と、かなりの高額です。
中国の法律では、個人の使用の範囲を超えた輸入薬の転売行為は違法にあたります。
糖尿病治療を専門とする医師は、マンジャロが本来の目的以外で処方される現状に命の危険を訴えます。
あおき内科・さいたま糖尿病クリニック 浦和院・東浦和院の青木厚総院長:
食欲を抑えることで、拒食症になってしまう方もいる。食べることを拒否するわけですから、命に関わってくることもあります。