20日投開票があった参議院議員選挙で、長崎選挙区では自民党の現職・古賀友一郎さんが24万6585票を獲得し、3期目の当選を果たしました。
投票率は前回の参院選より約7ポイント上がり、有権者の関心の高さが伺えました。
一夜明け、長崎市の選挙事務所を訪れた古賀さん。少し硬い表情で自らの当選を報じる新聞に目を通しました。
3期目の当選 自民党 古賀 友一郎 氏(57)
「与党過半数割れという状況を踏まえて、政局がどういうふうに動いていくかを非常に心配するが、今ここで歩みを止めるわけにはいかない」
「逆風のなかで議席をいただいたことの重みをかみしめたい」
自民党の古賀さんは地元選出の国会議員を中心に、まとまった選挙戦を展開しました。
全国的には大きく議席を減らす中組織をしっかりと固め、自民党の指定席とも言われる長崎選挙区の議席を守りました。
一方、ガソリン税の減税など手取りを増やす政策を訴えた国民民主党の新人・深堀浩さんは、地元の長崎市では当選した古賀さんを1万票以上上回りましたが、それ以外の地域で票が伸びす、知名度不足が響いた結果となりました。
国民民主党 深堀 浩 氏(59)
「我々が訴えてきた政策に誤りはないし、今置かれている国民の生活状況を考えたときに政治状況を刷新しなければならないのも間違いがない。ただこの長崎県選挙区においては私の力不足と、県民の皆様にその思いが十分に届かなかったと理解している」
今回の参院選の投票率は55.78%で、前回3年前の参院選を7.06ポイント上回りました。
主な争点が物価高対策など生活に直結するものだったこともあり、有権者は高い関心を寄せました。
投票率を押し上げたもうひとつの理由として考えられるのが、参政党の躍進です。
「日本人ファースト」の政策を訴え、無党派層を中心に全国的に一気に支持を伸ばし、長崎選挙区でも新人の黒石隆太さんが10万票近くを獲得しました。
参政党 黒石 隆太 さん(33)
「参政党の飛躍で、参政党も国のかじ取りに手を伸ばしていく日本を変えていくというところを、私自身は当選できなかったが、参政党の議員の仲間が日本の方向性を変えてくれるので、私も長崎で頑張りたい」
今回の選挙戦について、県内各党に受け止めを聞きました。
自民党県連 第一選挙区責任者代行 前田 哲也 県議
「全体的に厳しい中で逆にそれが組織として引き締めになったということと、本人がとにかく一生懸命、汗をかいて訴えた結果だと思う」
国民民主党県連 西岡 秀子 代表
「自民党ではない選択肢として、国民民主党だけではない選択肢が新たに県民の皆さまに大きくあったことも今回の結果の大きな要因になっていると思う。国民民主党県連としても真摯に受け止めて、今後の活動を考えなければいけない」
立憲民主党県連 白川 あゆみ 幹事長
「まだまだ長崎の政治のなかで野党の力不足を受け止めないといけないし、日頃の政治活動を含め県民の皆さまとの関わりもしっかりやっていかないといけない」
一方、県内の有権者は。
70代
「今の政権自体がどれだけの実力があるのかも僕たちもわからない」
「古賀さんがどういう活動しているかあまり見えない」
「わかるようなことをしてもらいたい」
40代
「労働者向けの政策を立てている人の方が良かった」
「私たちのような子育て世代や労働者に重きを置いてもらえたら」
80代
「参政党はよくわからないが今から伸びるのでは」
「若い人が関心を持っている」
「総理が代わるか代わらないかわからないが、長崎のことをまず考えてもらって国のために尽くしてもらえたら」
今回の参院選で、与党は衆議院に続いて参議院でも過半数割れとなりました。
今後、与党の枠組みが変わったり政権が交代したりするなど政治の不安定化が懸念されるなかで、物価高対策やアメリカとの関税交渉など国の内外を取り巻く課題に政府がどう取り組んでいくか注目されます。