参議院選挙・宮城選挙区(改選数1)は、7人が立候補する異例の乱戦となった。仙台放送の情勢調査で当選確実とした立憲民主党の現職・石垣のり子氏は、選挙戦最終日となる19日、仙台市中心部での「マイク納め」で支持者らに向けて最後の訴えを行った。

マイク納めをする石垣のり子氏(7月19日JR仙台駅前)
マイク納めをする石垣のり子氏(7月19日JR仙台駅前)
この記事の画像(2枚)

「人権を守らない政治は、政治じゃない」

街頭に集まった多くの支持者の前で、石垣氏は自らの6年間の活動、そして次の6年にかける覚悟を語った。

石垣氏は演説の中で、「今の政治は“安定”どころか“不安定と格差の拡大”を生んできた」と指摘。
「安定か混乱かというが、私たちの暮らしは本当に安定しているのか。声をあげられない人たちの不安や怒りが、今の政治を変えようとしている」と語った。

さらに、自らの政治信念として強調したのが「人権」だった。
「憲法の三大原則の一つである“基本的人権の尊重”を守らない政治家が、政治家になってはいけない」と述べ、「差別を許す社会では、偏見が暴力につながる。それは歴史が証明している」と訴えた。

攻撃とデマの中で 「私は壁になる」

選挙期間中、一部候補者からの中傷やデマも飛び交ったことについて、石垣氏は「私に向けられているデマは、次は誰かに向かうかもしれない。その壁になる覚悟で立っている」と語気を強めた。

「私たちの社会を蝕む“5つの壁”を越えるために立候補した。声なき声を拾い上げ、権利が届かない人のために働きたい」と、差別や格差、政治不信と向き合う姿勢を改めて示した。

ラジオから国会へ

石垣氏はかつて、ラジオパーソナリティとして活動してきた。「放送を通して寄り添ってきたリスナーの皆さんの顔が浮かぶ」と振り返り、「辞めるときは本当に悔しかった。でも、あの経験が今の私を支えている」と語った。

6年前、野党共闘の枠組みの中で初当選し、今回が再選をかけた戦いとなった。「議席は私個人のものではない。支えてくれた皆さんの声を国会に届ける代表として、もう一度仕事をさせていただきたい」と決意を述べた。

「社会の歪みを変えたい」

街頭演説後、報道陣からのインタビューで石垣氏は、「一強政治では、暮らしも人権も守れない。そのことを伝えるために県内を回り続けた」と述べた。

さらに、旧統一教会問題や裏金問題など、政治とカネをめぐる不信に触れ、「今の1強体制は、もはや社会の歪みを放置している。それを変えたい」と訴えた。

また、一部候補からの攻撃やデマについては、「こうした行為が許容される社会は危険だ。それは個人の問題ではなく、政治がつくった構造の責任だ」と強調した。

「これからの6年 壁を越えていく」

演説を締めくくるにあたり、石垣氏は「これは終わりではなく始まり。暮らしと社会を守るために、これからの6年、また新たな壁を越えていく」と述べた。

「人権を守るということは、自分の暮らしを守ること。社会全体を守ること。それを忘れずに、また皆さんと一緒に歩んでいきたい」と語り、最後は深々と頭を下げた。

仙台放送
仙台放送

宮城の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。