夏の甲子園出場回数県内最多12回の日本文理とそれに次ぐ11回出場の中越が県大会3回戦で相まみえた。ノーシードからの勝ち上がりを目指す日本文理と、春の県大会を制した中越の注目の一戦は中越が6-2で勝利。文理の二枚看板が最後の夏への思いを語った。
日本文理vs中越 3回戦で大会屈指の“強豪対決”に
日本文理・番場と中越・雨木のエース同士の投げ合いで始まったこの試合。2回まで互いに譲らぬ展開で無得点の展開が続く。

試合が動いたのは3回裏。中越の8番・仲丸が四球で出塁し、9番の雨木は見逃し三振。1死1塁の場面で1番・平澤が左中間に二塁打を放ち、ランナー2、3塁と先制のチャンスをつくる。
そして、続く2番・堤の右中間への適時三塁打で中越が2点を先制。続く3番・清水も右前に適時打を放ち、この回3得点。
中越は4回にも2点を追加し、5―0で試合を折り返す。
一方、中越のエース雨木を前に反撃のきっかけをつかめない文理打線は8回、途中出場の小網の安打などでランナーをためる。その後、相手の失策や四球になどより、2点を返す。
しかし、9回を通して安定感をみせた雨木を前に反撃はここまで。8回に1点を追加した中越が逃げ切り、6―2で勝利。
3年ぶりの甲子園を目指した文理の夏は3回戦で終わった。
秋・春・夏継投してきた番場・小網
昨秋から何度も継投してきたエース番場と小網。

小網はこの試合、5回から登板した。マウンドに上がる前、小網は番場から相手打者の特徴を伝えられたあと「ここからゼロで頼むぞ」と背を押されてマウンドに上がった。
番場とは最後の継投となったこの日の試合後、小網は「これまで何回も番場と自分で継投をしてきたので、これが最後だと思うと悲しい気持ちになる。秋春と継投したが、夏が一番思いをつなぐ継投だった」と二枚看板で戦った1年の終わりを惜しんだ。

最後に、高校野球生活については「2年半という短い期間だったが、すごく濃く、でも短いなと思う2年半だった。高校3年間、つらいときもあったが、そのつらい経験を生かしてこれからも野球を続けて、また良い報告ができればと思う」と口にした。
名門のエースとして…先発・番場
この試合、先発として4回71球を投げ、5失点と苦い結果に終わった番場。

自身の投球について「自分が先発を任された上で力不足をすごく感じたし、中越の勢いに圧倒されたという悔しい結果に終わった」と振り返った。
県内最多12回の夏の甲子園出場を誇る日本文理だが、前回出場は2022年。昨秋の県大会は8強、今春の県大会は16強と、甲子園から遠ざかっていることを自覚してチーム作りに取り組んできたという。
「秋・春とベスト8、ベスト16で終わって、自分たちの代は中々結果が残せなくて、春からエースを任された自分がチームを変えていくべき人間として、自分が周りを鼓舞しながらキャプテンと協力して良いチームを形成していった」
しかし、今大会も3回戦での敗戦。試合終了の瞬間に抱いたのは恩返しができなかった悔しさだと話す。
「今まで野球やる上でサポートしてくれた保護者や祖父母など、周りの人に助けられていま野球ができている。感謝をもって恩返ししたかったが、それが結果として出なかったのでそこが一番悔しかった」

その恩返しを実現するためにも、番場は大学でも野球を続けるつもりだ。
「このままでは恩返しもできていないし、プレーでも技術不足が目立つので、そこは大学でもう一段階レベルアップして、さらに成長を遂げて大学の世界で戦いたい」
自身はこの試合で高校野球生活から引退するが、日本文理の今後を思う強い気持ちは変わらない。その思いは後輩たちへ託した。
「後輩たちは、自分たちが負けてその次の代なので、俺らの分まで頑張って、来年は絶対甲子園に行ってくれと強い意志で声をかけた。最近タイトルが取れていない中で、日本文理としてのプライドが欠けてきている部分もあるので、そこは王者の気持ちをもう一回取り戻してほしいし、練習や何事においても高いプライドを持ってやってほしい」
(NST新潟総合テレビ)