世界遺産・白川郷で知られる岐阜県白川村は、前回の参院選の投票率が「86.04%」で、東海地方で最も投票率が高い地域でした。人口わずか1500人足らずの村で、人々が選挙に足を運ぶ理由について調べました。

■投票率は「86.04%」背景に“当たり前”という意識の高さ
大きな「かやぶき屋根」がトレードマーク、世界遺産としても知られ、多くの観光客で賑わう岐阜県の白川村。この村の投票率は、東海地方で最も高い「86.04%」です。
人口1500人に満たない小さな村ですが、岐阜県の投票率53.59%と比べても非常に高い水準です。

いったいなぜなのか、村の人に話を聞いてみると、「選挙に行くのは当たり前」という意識の高さが伺えました。
白川村民ら:
「(選挙は)行きます。絶対投票しろと言われているわけではないんですけど、行かなきゃいけないという気持ちなんですかね」
「行くものだと思っているんじゃないですかね。行くべきものだろうと」
「コミュニティーが密になっておりまして、日常会話で『選挙行ってきた』という会話がこういう時期にはありますね。当たり前のように参加しているんじゃないでしょうかね」
“まわりの目が気になる”という面もあるようです。
白川村民ら:
「ちょっと人目もあるし、行かない方が逆に目立つ…」
「どうして行かなかったのって聞かれると怖いから、行くんじゃないかな」
■投票率が高い理由は「教育の現場」でも?
小中一貫の義務教育学校『白川郷学園』では、村の文化や歴史などを学ぶ「村民学」の授業を通して、子供の頃から村の一員という自覚を育んでいて、これが将来的に政治への関心の高さにつながっていると言います。

白川郷学園の川瀬秀樹校長:
「総合的な学習として『村民学』というのをやっております。その成果の一端が、選挙で政治に関わっていこうという思いにつながっているんじゃないかなと感じています」
また、社会科の授業では白川村の投票率が高い理由を考えたこともあります。子供たちも「村内のネットワークが深い」「選挙に行くということが文化として根付いている」ということを感じているようです。

さらに、生徒会長選挙で使うのは、実際の選挙で使用する記載台と投票箱です。本当の選挙さながらの緊張感だと言います。

生徒:
「緊張したけど、その緊張感とかを感じられて良い機会だなと思います」
別の生徒:
「白川村を守っていきたい、より良くしていきたいと思うので、選挙にも積極的に参加していきたいなと思います」
さらに、独特な啓発活動もあります。村内放送を使った投票率の実況中継もしていて、3カ所設けられる投票所の投票率を放送します。
白川村役場・総務課の坪内勇樹主任:
「投票率は競うものではないんですけれども、周辺地区の投票状況を公表することで、自分も行かなきゃなという気付きには寄与しているかと思います」
東海一の投票率、白川村では、7月14日午後8時時点での参院選期日前投票の投票率は「49%」だということです。
(東海テレビ)