いよいよ7月20日は参院選の投開票です。

選挙戦直前で世間を騒がせたのが、「令和の米騒動」とも呼ばれるコメの価格の高騰です。

政府備蓄米の放出などで収まりを見せつつありますが、超早場米の収穫も始まる中、新米への影響も気になるところです。

消費者、生産者、小売店、そして鹿児島選挙区の候補者、それぞれの視点からコメについて見ていきます。

女性
「もちろん(コメ価格が)戻ってほしい。(5kgで)2000円台じゃないか」

子育て夫婦
「(コメ価格は)高いです。3200~3300円のイメージ」

女性
「当たり前に食べてきたものなので、なくなるとか買いづらくなるのは…」

女性
「前は『あきほなみ』を買っていた。1500円で。もうそういう時代はないね」


消費者にとって日々の生活に直結するコメ価格。

2024年の夏以降のコメ不足から徐々に上がり始めたコメ価格は、当初の予測に反して新米が出回り始めてからも下がることはなく、2025年3月には全国平均の販売価格が5キロで4000円台に突入します。

価格高騰を受け、政府は備蓄米の放出を決断。

県内でも6月から備蓄米の販売が始まり、スーパーには長い行列ができました。

その結果、14日発表されたコメの全国平均価格は、5キロで3602円。7週連続の値下がりとなりました。

このようなコメを巡る政策について、鹿児島選挙区から出馬した各候補者はどのように評価しているのでしょうか。

各候補者はKTSのアンケートに次のように答えています。

無所属 新人・尾辻朋実候補

「政府が生産量調整を行う中で米価格高騰を招いたのは、紛れもなく政府の責任だ。備蓄米の管理も不透明であり、適切にローリングされているなら「古古古古米」が出るのは異常。一時の価格調整のための備蓄米放出は、将来的な買戻しで再び価格が不安定化し、結果として米農家を苦しめることになり、安易な価格操作は慎むべき」

参政党 新人・牧野俊一候補

「備蓄米で目先の米価を下げることで、農家をさらなる価格競争に追い込んではならない。米は日本の主食であり、食料安全保障の要なので、減反政策の見直しは必須。欧米並みの所得保障で「農業は儲かる」という状態を作り、担い手を確保して食料自給率100%を目指すべき。郵政と同様の農協解体には断固反対!」

自民党 元職・園田修光候補

「備蓄米の放出による価格抑制は、小泉農水大臣の就任直後の判断として極めて迅速かつ的確。混乱を最小限に抑える対応としても評価できる。一方、再生産可能な価格を守るには、需給調整や所得補償の制度化、輸出促進などによる新たな需要の創出を含め、構造的な米政策へと発展させる必要があり、今後のさらなる取組を期待」

NHK党 新人・山本貴平候補

「農家にとっても消費者にとってもバランスのよい価格帯で落ち着くことがとても大事、まだ結果は出ていない。


一方、米の生産者は「令和の米騒動」、そして政府の一連の対応をどのように受け止めているのでしょうか。

薩摩川内市東郷町の米農家、森園正樹さん。

20年前に脱サラして就農し、現在は自身や従業員3人と約22ヘクタールの水田でコメを栽培しています。

この数年で資材価格なども上昇していて、コメの価格上昇を喜びつつも、消費者の買い控えへの懸念もあり気持ちは複雑です。

コメ農家・森園正樹さん
「生産者から見ればこういう値段が続けばいいなと思っているが、消費者の納得できる価格と生産者が経営が成り立つ価格、そこの間を政策でなんとかしてほしい」

県内ではすでに新米の収穫が始まっている地域もー

超早場米の産地、鹿児島県南種子町です。

新栄物産では16日から新米の収穫を開始。

全国的な米不足の現状を踏まえ、2024年より作付面積を3ヘクタール拡大。

収穫量は75トンから80トンに増える見込みです。

新栄物産・古市純一代表取締役
「2024年よりは(収穫)量はあるんじゃないか。2025年の売値が60kgで2万7000円くらい。小売りにしたときに5kgで4000円を超すか4000円くらいでは」

また小売業者は今回の「令和の米騒動」をどう見ているのでしょうか。

大正時代から続く鹿児島市下荒田の二之宮米穀店。

この店でも先週ようやく政府備蓄米が届き、売れ行きは好調ということですが、コメ価格を巡る一連の経過をどのように捉えているのでしょうか。

二之宮米穀店・二之宮行宣さん
「生産者の収入を上げてあげないといけない。でも消費者米価は下げていかないといけない。ここに何かと言えば、もう税金の投入しかないと私は思う。2025年、2026年あたりでコメの業界は相当変わるんじゃないか。考え方を変えていかないと、商売ができなくなってしまうような気がする」

生産者を守りながら、どうやって消費者にコメを安定的に届けていくか。

日本の主食「米」をめぐる政策は、いままさに転換期にきているのかもしれません。

鹿児島テレビ
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