今週末から多くの若者たちは夏休みでしょうかね。
そして、夏休みといえば、バイトの季節。
ところが、若者の長期休みの鉄板だったリゾート地でのバイトに今、変化が起きているというんです。
ソレってどうなの?16日のテーマは「旅?それとも仕事?シニアのリゾートバイト」です。
街の皆さんに、ことしの夏休みに旅行の予定があるか、聞いてみました。
「大曲の花火大会、秋田県に行きたいと思ってる。(Q.予算は?)(2人で)10万円くらい、ちょっとオーバーしてもいいかな」「夏休みはライブ」「私は軽井沢に旅行に行く。上高地がきれいで有名なので行きたい。ホテルで3万円くらい、いって5万円くらい」「青春18きっぷで湘南まで行きたい。まだバイトあまり入れてないので節約旅」など、皆さん予定があるようですが、市場調査会社インテージによりますと、2025年の夏休みにかける平均予算は5万7284円と、2年連続で減少しているようです。
物価高や円安が夏休みの予定に影響すると答えた人が7割に上りました。
そうした中、稼ぎながら旅行も楽しめる、リゾートバイトの人気が上昇しているといいます。
観光地やリゾート地で一定期間住み込みで働いて、生活費を抑えながら収入を得られるというリゾートバイト。
人手不足の地域の事業者と、働きながら旅をしたい人をつなぐマッチングサービス『おてつたび』を提供する会社の代表・永岡里菜代表は「全国で8万人ほどが登録していて、半分ぐらいが10代20代を中心とした大学生などの方だが、最近50歳以上の方が増えていて、特に65歳以上の定年退職された方の利用も増えている」と話してくれました。
では、実際はどうなのか?
取材したのは、北アルプスの美しい自然に囲まれた長野県の白馬村です。
そのふもとにたたずむ温泉ホテルでリゾートバイトをしているのは、58歳の敬子さんです。
リゾートバイトに参加する敬子さん(58):
まだきて何日かくらい、1週間たたないくらい。去年同じようにリゾートバイトで別のところで働いた。
敬子さんがリゾートバイトに参加をするのは、今回が2度目だそうです。
このホテルでの仕事は、午前7時10分から朝食の準備や片づけをしたあと、午前10時半ぐらいまで部屋の掃除など。
そして、午後の夕食時に2時間半ほど働くといいます。
午前と午後の仕事の間は休憩ですが、状況によっては広大な自然に囲まれたホテルのテラス席で昼食をとることもできます。
敬子さん:
この景色はいいですよね。このあとはお昼寝です。お昼寝&お散歩時間。
近くで散歩をして、旅行さながらの写真を撮ることも。
仕事のある日は3食付きで時給1000円。
宿泊費は無料です。
敬子さん:
ホテル代高いし、毎食外食、物価も高い。旅行しながら動くのは国内では難しいなと感じた。観光時間はしっかり確保される。客が少ないと朝1時間、午後1時間(働く)。その日に湖も行ってきた。週休3日制ぐらい。旅人が「すごくいい」という長野を、週に3日休みがあったら車で来ているので行けると思って、あちこち。
ホテルの代表は、受け入れる側にもメリットがあると話してくれました。
白馬 山のホテル・武藤慶太代表:
人材確保がなかなか難しくなっている。遊びに来る人が多いので、そういう人の気持ちがわかるような人が来る。よくマッチすると思う。
リゾートバイトの募集は、白馬村の他にも伊豆温泉や箱根などでも行われていて、先ほどの「おてつたび」や求人サイトなどで探せるそうです。
シニア向けのリゾートバイトは今後も増えていくんでしょうか?
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんは「シニアにとって、若いときにリゾートバイトをやりたかったが、そのときにはできなかった。過去にやりたかったことを時間ができた今、そこに入る。シニアの中で働く流れができている。高齢化社会の中で皆、非常に元気。無理なく働ける。“魅力的”として、これからより増えると思う」と推察します。
シニア層に今、広がるリゾートバイト。
シニアにも、人手不足に悩む地方の観光地にも、救いとなりそうです。