中国でスパイ行為を行ったとして有罪判決を受けたアステラス製薬の日本人男性社員が、「控訴については今後、弁護士と相談する」と話していることが分かりました。
北京市の裁判所は16日午前、アステラス製薬の日本人男性に「スパイ活動を行った」として、懲役3年6カ月の有罪判決を言い渡しました。
中国の裁判は2審制で、7月28日までが控訴期間となっていますが、日本大使館によりますと、16日午後、金杉憲治大使と面会した男性は「控訴については今後、弁護士と相談します」と話したということです。
また男性は、心身ともに特段の問題はなく、淡々と話をしている様子だったということです。
裁判を傍聴した金杉大使は、スパイ行為について、「本人の意向」を理由に詳細を明らかにしませんでしたが、裁判での説明は、「透明性があると考えられるレベルではなかった」と指摘しました。
また、日中関係を安定させるうえで「大きな障害となっているのは日本人の拘束事案だと思うので、政府として安心できる環境を整備しなければならない」と話しました。