「ツイセキ」です。
近年増加している爆音走行バイク。去年、広島県警には専門の対策室が設置され爆音走行バイクの根絶に取り組む警察の今を追いました。
<笛の音>
次々とバイクが止められていく検問所。
警察官や中国運輸局の職員によるバイクの整備確認が行われます。
後を絶たない「爆音走行バイク」
騒音走行に関する通報件数も近年増加傾向にあり、2023年から2024年にかけては400件近く増えています。
【広島県警 暴走・爆音走行対策室 吉田真太郎 室長】
「傾向的に言いますと、10代の少年たちが爆音走行することが多くあります」
これまで組織性の強い暴走族が目立っていましたが近年は、単独で走行したり、SNSなどで気軽に仲間を募って爆音で走行したりする形へ変化しているといいます。
【広島県警 暴走・爆音走行対策室 吉田真太郎 室長】
「10代の子たちもSNSを使って、スマートフォンによって繋がっている緩いコミュニティを使っているという形です」
なんとしても爆音走行バイクを撲滅したい…県警は去年8月、全国で初めてとなる「暴走・爆音走行対策室」を新設しました。
<11日の検問>
この日は、対策室の発足後、5回目となる中国運輸局との「合同検問」。
場所は、時間を問わず交通量の多い国道2号です。
<二人乗りバイクの少年>
最初に止められたのは少年2人が乗るバイク。消音機という音を抑えるパーツが設置されておらず爆音で走行していました。
バイクには、整備命令がだされ、少年は検挙。
2人はバイクを押して帰っていきました。
次に止められたバイク。
一見、問題がないように思えますが…
【警察官】
「捜査員がこれくらいのアクセルでどのくらいの音がしているかというのを聞いて、違反が成立するかどうかの確認ですね」
エンジン音を専用の機械で測定。
このバイクは音が規定値を超えたため「騒音」として検挙されました。
この日行われた2時間にわたる検問。
騒音関連以外も含め、広島市では8件検挙されました。
【広島県警 暴走・爆音走行対策室 吉田真太郎 室長】
「騒音運転というのは県民の安全や平穏を害するものだと思っております。県警といたしましても、取り締まりを強化してまいりますので、このような騒音運転を見かけましたら、110番通報していただくよう、お願いいたします」
来月、発足2年目に突入する「暴走・爆音走行対策室」。
前年に比べ検挙数も増えていて地道な取り締まりは続きます。
<スタジオ>
【記者の目・取材メモ】
取材した片平記者によると…少年の緩いコミュニティでの爆音走行が近年の傾向。
こうした状況を踏まえ対策室では、押収したスマートフォンを解析して、SNSでのつながりからそのほかの運転手の検挙につなげたり、防犯カメラやドライブレコーダーで運転手を特定する捜査も行っているということです。
検問という現場での取り締まりに加えて、映像データから割り出すデジタルな捜査をかけ合わせて、検挙数の増加につなげています。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「ゆるいコミュニティ、出会いがあって仲間が繋がるということによって、行動に移すっていうそのSNSの煽りメディア的な側面が出てしまっているなというふうに思いますね。一方で彼らの繋がりだけじゃなくて彼らのその不満のメッセージとは一体どういうものなのか、その辺もSNSの解析で、解決していくことができたらいいなと思います。