県内の小学校にことし5月、子供向けの「防衛白書」が送られました。
教育的な観点から問題があるとして、女性団体などが15日、県教育委員会に冊子の回収を申し入れました。
申し入れをしたのは、新日本婦人の会長崎県本部など3団体です。
防衛省が作成した子供向けの防衛白書について3団体は、周辺国を仮想敵国とした内容などを問題視しています。
申し入れ
「国民の中に様々な考え方や感情がある中で、子供の発達段階を考慮せず、政府の考え方を一方的に押し付けることは許されず、教育の中立性を脅かすものです」
「はじめての防衛白書」は、ことし5月、県内の小学校に10冊ずつ、九州防衛局から直接、送られました。
自衛隊の活動の紹介のほかにウクライナが侵略された理由の一つに、防衛力の不足を挙げていたり、中国や北朝鮮、ロシアを仮想敵国とする表記があったりし、教育の場にはそぐわないとの指摘が上がっていました。
新日本婦人の会県本部 山下優子 事務局長
「(中国にルーツがある子供などと)実際にクラスメイトとして暮らしているのが現実です」「どういう国とも仲良く、というのを教えるのが先ではないかと思っています」
県内では、子供たちが閲覧できないよう、独自の判断で回収した学校も出ています。