気温の高い外と室内の温度差などで人間も疲れが取れないなど体が不調になりがちですが、浜松市の養蜂場ではミツバチの「夏バテ」に気を揉んでいます。

落合健悟 記者:
いただきます。甘いんですがさっぱりとしていて、夏にぴったりの味わいです。

暑い日が続くなか、熱中症や夏バテ対策としていま注目を集めているのが“ハチミツ”です。

長坂養蜂場・鈴木千少さん:
ハチミツはエネルギー源。食べやすいしビタミンやミネラルも豊富なので(熱中症などの)対策に食べる人もいる

浜松市浜名区の長坂養蜂場。「夏こそハチミツ」と掲げられた店内は多くの買い物客でにぎわっていました。

三ヶ日みかんの花の蜜でさわやかな甘さが特徴のハチミツが人気を集めています。

しかし、いまハチミツをつくるミツバチに異変が―。

落合健悟 記者:
人間と同じようにミツバチも暑さを感じていて、ぶんぶんと音を立てて巣箱の中に風を送っています

暑さには弱いミツバチ。働きバチが羽を震わせて風を送る「旋風」によって巣箱の気温上昇を防いでいますが、近年の暑さには対応しきれず巣箱の中で死んでしまうこともあると言います。

長坂養蜂場・黒澤和さん:
(Q.ハチが集まっているのはどういう状態?)ミツバチたちが水分補給のために水場に集まって給水している。ミツバチも夏バテのような状態。暑すぎると女王バチが産卵できなくなってしまったり、(働きバチが)動きが緩慢になって働くことができなくなってしまうので自分たちで暑さの対策をしている

気温上昇の影響で花が咲く時期にも変化が見られ、とれるハチミツの量は減少傾向に。対策が急務です。

長坂養蜂場・黒澤和さん:
ここは木がたくさん生えていて日陰が多く、ミツバチに直射日光があたりづらく巣が暑くなりにくい環境

この場所は標高も高く風も入りやすいため、夏場をメインに養蜂場として使用。今後はさらに気温が低い山間部に巣箱を移すことも検討しています。

長坂養蜂場・黒澤和さん:
自然を相手にしているというのは人間がどうしてもコントロールできない。これからもミツバチと一緒に自然の恵みを受けとりながら頑張りたい

2025年も厳しい暑さが予想されている夏。養蜂場も試行錯誤の日々が続きそうです。

テレビ静岡
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