男子プロバスケットボール「広島ドラゴンフライズ」専属パフォーマンスチームの新メンバーを決めるオーディション。参加者最年長で挑む48歳の女性がいる。
彼女が応募を決意した背景には、夢に向かって頑張る息子たちの存在があった。
※この記事は【全3回シリーズ】の第2弾です。
▶ 第1弾:歌唱力抜群RIKOさん
48歳、最年長の挑戦者
「家事が忙しいけど自分のやりたいことを頑張っていて、すごいなって思います」
中学3年生の次男がそう話すのは、母・MIHOさん(48)について。

呉市出身のMIHOさんは、2人の息子を育てながら、アパレル店員として週5日フルタイムで働いている。
その彼女が、プロバスケットボールチーム「広島ドラゴンフライズ」専属パフォーマンスチームの新メンバーを決めるオーディションに挑んだ。

選考は、書類審査の一次、実技と面談の二次、そして個人PRのライブ配信を行う最終審査の三段階。二次審査を通過した15人の中で、MIHOさんは最年長だ。
「夢を追う息子の姿が励みに」
今回のオーディションは、ダンスや歌、MC、さらにはバレエやバトンなど、多彩なスキルが求められる。浦伸嘉社長は「ダンスはもちろん、歌もあればいいかなと。表現の幅を広げていきたい」と話す。

MIHOさんが二次審査で披露したのは、得意のモデルウォーキング。
かつてはファッションモデルとして活動していた。体のラインを美しく見せる歩き方や、指先まで意識の行き届いたポーズは今も健在だ。当時は、表舞台に立つだけでなく、ファッションショーの企画や構成にも関わっていたという。

好きなことに夢中になっていた過去を思い出させてくれたのは、2人の息子だった。
映画関係の仕事を夢見る長男。サッカー選手になりたい次男。母として、息子たちの夢を全力でサポートしてきた。
「ひとつの夢に向かって頑張る姿って、すごく心強かったり自分の励みになる。そういう息子が近くにいるから、私も夢に向かって挑戦したいって思うことができた」
子どもたちが大きくなって自分の時間が少し増えたタイミングで、今回のオーディションに出会ったのだ。
初めての配信も「いい経験」
最終選考は個人PRのライブ配信。7月13日まで実施され、MIHOさんもこの期間中、配信未経験ながら毎日アピールを続けた。

夕食を終えた夜10時前。となりの部屋では、MIHOさんが配信に向けてスタンバイ。
リビングで過ごす次男はもちろん“母の配信”を知っている。
「ここから聞こえるし、見える」
母が話題に困ったとき、助けてくれるのも息子だ。
「お兄ちゃんが話題を考えたり、アドバイスしている」

家族が見守る中、画面越しに等身大の自分を届けるMIHOさん。
「配信は初めての経験。でも自分の引き出しが増えたからいいかな」
配信中は明るく元気に、素直な気持ちを語った。
「後悔しないように。メンバーに選ばれたら、深く関わっていきたいと思っています」
MIHOさんの挑戦は、ひとりの女性としての新しい一歩。
「最終審査も受かって、ドラゴンフライズのパフォーマンスチームに入ってほしい」
息子のそんな言葉に支えられ、今、48歳の夢が広がっている。
次回は7月16日17時配信。最終選考へ進んだ元看護師・26歳に密着した。
(テレビ新広島)