経営難に陥っているJA新潟厚生連が運営する佐渡総合病院が、がん患者などに行う放射線治療を25年度限りで終了することが分かった。現在、行っている治療については、遂行するとしている。

放射線治療受けられる島内唯一病院「続ける道模索も…」

佐渡総合病院は、放射線治療を受けられる島内唯一の病院だ。

佐渡総合病院
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「安心してがん治療を受けてもらいたい」と2012年に放射線治療の機器を導入。病院によると、当初から維持費などがかさみ、赤字が続いていたという。

24年度には101人が治療を受けたが、機器のメンテナンスや人件費などで2000万円以上の赤字に。また、耐用年数を超えた機器の更新には、5億~6億円が見込まれ、費用の捻出は困難となった。

佐渡総合病院の佐藤賢治病院長は「それなりの数の患者がいらっしゃる。この病院を建てたとき、鳴り物入りでつくった機能だから、それを切るのは当然忍びなくて、数年越しで佐渡市などと続ける道を模索していた」と説明する。

26年度以降は島外の医療機関へ

放射線治療は25年度末で終了し、新規の患者の受け入れは7月末で停止。26年度以降、治療を希望する人は島外の医療機関に通院することになる。

佐渡総合病院 佐藤賢治 病院長
佐渡総合病院 佐藤賢治 病院長

佐藤病院長は「今、放射線治療をしている患者さんについてはご安心を。途中で新潟に行けという話にはならない。これから放射線治療が必要な患者がもし発生したら、それは新潟市内の病院にすでにお願いしてあるので、受け入れについては恐らく問題ないかなと思う」と話す。

JA新潟厚生連が経営難にある中で下された放射線治療の終了という苦渋の決断。佐渡市は、島外に通院する患者への交通費などの経済的支援を検討している。

(NST新潟総合テレビ)

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