事実上の“政権選択選挙”となる、第27回参議院選挙。
選挙の度に「投票率」が注目されますが、2024年の衆院選では、全国の投票率が53.85%と戦後3番目の低さになるなど低迷が続いています。

さらに、今回の選挙の投票日となる7月20日は3連休の中日となるため、さらなる低下の懸念も…。

「サン!シャイン」は、“投票率日本一の村”と呼ばれる、宮崎県西米良村を取材。先の衆院選では驚異の投票率87%超えを果たした、その理由に迫りました。
「投票は当たり前」の意識が若い頃から
宮崎市の中心部から車で約1時間半。人口約1000人の西米良村。
山々に囲まれたのどかな村の投票率がなぜここまで高いのか、役場の担当者に話を聞いてみると…。

西米良村役場 総務課 長友孝憲さん:
直近の衆院選の投票率は、87.96%でした。(3年前の参議院選挙の投票率は)88.15%になります。やっぱり、小さい頃から投票っていうのが当たり前って言いますか…。

各家庭に無料で配布している情報端末に、選挙期間中は毎日朝夕2回、この端末を通じて投票を呼びかけているという西米良村。
期日前投票を個別で案内するなど、様々な取り組みによって、子供の頃から「投票は当たり前」という意識が根付いているといいます。

さらに、現状では満足せず、「9割を超えられるよう頑張る」と担当者は話します。
村の人たちは現状をどのように感じているのでしょうか?

住民(70代):
毎回。休むことなく。(選挙)行きました?とか不在者投票しました?とかは聞いたり聞かれたりしますね。

住民(70代):
もう昔から投票率がものすごくいいのよ。ここの西米良地区はね。だから、もうみんな言えば、競争みたいになっているかもしれないね。(投票に行かないと)なんだかんだ言って、文句も言えないでしょ。選挙に行っていれば言う資格があるわな。行かなければ言う資格ないでしょう?
聞こえてきたのは、投票や政治参加意識の高さ。その意識は、Uターン就職したという人にも…。

Uターン就職した住民(30代):
福岡にいた時は(選挙に)全く…行かなかったんで、こっちに戻ってきてから、選挙が身近になったなとは感じています。

さらに、住民たちの投票への高い関心は、村の若い世代にも受け継がれています。

中学3年生:
自分も将来そういう事(選挙や政策)を考えてながら、選挙をしないといけないなということを考えます。

中学2年生:
(選挙に)親と行ったことがあって、真剣に悩んだりしていて。そこまで悩むんだとなり、学校でも選挙があるので、それも経験になっていて、(投票)をやってみたい気持ちも出てきています。
すでに「投票に行きたい」と話す子供たち。全国の投票率が低迷していることについてどう思っているのでしょうか?

中学1年生:
国の未来にもつながったりするから、投票率が今は低下してはいるけど1人1人がちゃんと投票しないと、ちゃんとした政治家が日本を回していけないから。慎重に考えて投票に行きたいです。
(「サン!シャイン」 2025年7月9日放送)