毎日元気はつらつに過ごしたいけれど、そうはいかない。気分が落ち込んでしまったり、イライラしてしまう、そんなときには疲労が積み重なっているという。
現役医師の加藤浩晃さんの著書『休養ベスト100 科学的根拠に基づく戦略的に休むスキル』(日経BP)から、一部抜粋・再編集して紹介する。
意外と疲労は実感できない
メンタルが落ち込むとき、実はその背景には疲労があります。疲労は意外と自覚しにくいものですが、ストレスと疲労のメカニズムを知ることで、過労に至るのを防ぐことは可能です。
仕事を続けているうちに、単純なミスを犯したり、イライラしたり、落ち込んだりすることがあると思います。そこで「疲れているな」と感じて休息をとればよいのですが、なかなかそうはいきません。

仕事を急に休めないという理由もあるでしょうが、問題は疲労を実感できないことにあります。体温や血圧のように疲労を数字で正確に測ることができればよいのですが、疲労感があるかどうかには主観が入ってくるのが厄介です。
例えば、期日が迫っている重要な業務に携わっていると、徹夜に近いような仕事をしても疲れを感じないことがあります。これは、仕事という大きなストレスによって、体が一種の興奮状態になって疲労を感じにくくなってしまうためです。