進化するコインランドリー、待ち時間も楽しめる複合型サービスが人気

富山で生活に欠かせないコインランドリーが、多機能な複合型サービス空間へと進化している。最近の店舗ではキャッシュレス決済が導入され、Wi-Fi環境や休憩スペースが整備されるだけでなく、さらに利用者の満足度を高める工夫も見られた。
「洗濯しながら」の時間を有効活用できる新発想

特に注目されているのは、洗濯の待ち時間を有効活用できる「コラボ型」の店舗だ。射水市にあるコインランドリーでは、隣接して洗車機が設置されている。このサービスは、ガソリンスタンド運営会社が6年前に始めたもので、他の店舗では車の査定や熱帯魚観賞などのサービスも提供している。

「特に若いお客さんが増えている。共働きの方が多く、限られた家事の時間を週末は有効に使いたいというニーズ」とSHIMARSの島英輔社長は語る。
クリーニング店との融合で衣類の悩みをワンストップ解決

富山市に今年3月オープンしたばかりの店舗では、コインランドリーとクリーニング店が隣接する新しい形態が登場した。
「クリーニングとコインランドリーの組み合わせは『え?』という感じだが、通常無人のコインランドリーが多いが、隣にクリーニング店があると、『これは洗えますか?』と気軽に尋ねられる。洗えないものはクリーニングに、洗えるものはコインランドリーを使ってもらう」とヤングドライの中波真理子さんは説明する。

さらに、衣類の修繕サービスも提供しており、利用客からは「布団など大きいものはコインランドリーで、Yシャツはクリーニング店で。便利」という声が聞かれる。
カフェ併設型で「わざわざ行きたくなる」新体験

富山市電の荒町駅近くに2年前オープンしたコインランドリーは、朝食とスイーツを提供するカフェを併設し、「わざわざ行きたくなる」と人気を集めている。
富山市民プラザfil管理活用グループチーフの永井慎さんは「朝からオープンしている食堂やカフェは少ない。ランドリーを使いながら、ご飯やスイーツが食べられる。そこに魅力を感じてもらっている」と話す。

大型機器で最大27キロの洗濯物を洗って乾燥させる約1時間の間、利用客は「マンゴーパフェ食べながら待っていた」「洗濯しながら待つというのも、なんとなく自分で家庭生活を楽しんでいる感じ」と新しい生活スタイルを楽しんでいる。
コンビニ以上に増えるコインランドリー、まちづくりの視点も

クリーニング業界紙の調査によると、コインランドリーの店舗数は2020年にかけて全国で急増し、約2万5000店舗と大手コンビニの店舗数を上回るほどになっている。既存店のリニューアルでは、カフェやスポーツジムといった異業種と連携した店舗も増加傾向にある。

永井さんは「まちなかの空きビルや使われていない駐車場を活用して、新しく人が集まり、交流が生まれて、新しい価値ができたらいい」と話し、コインランドリーがまちづくりの視点からも注目されていることを期待している。
富山の街で進化を続けるコインランドリーが、地域コミュニティの新たな交流拠点へと変わっていくのかも注目だ。