参議院選挙の選挙戦がスタートしました。

各党の幹部、候補者が街頭演説を連日行っていますが、参政党の神谷代表から出た「高齢の女性は子どもが産めない」といった発言が波紋を呼んでいます。

これはどういった発言で、有権者がどのように受け止めているのか取材をしました。

3日、参政党の神谷宗幣代表が参院選の第一声で発した「男性や、申し訳ないけど高齢の女性は子どもは産めない」という言葉。

この発言を巡り、ネットでは「出産適齢期」など関連ワードがトレンド入り。
大きな波紋を広げています。

この発言が出たのは、神谷代表が少子化対策について訴えていた時でした。
どのような趣旨だったのか、前後を含めて聞いてみます。

参政党・神谷宗幣代表:
男女共同参画とか、もちろん女性の社会進出はいいことです。どんどん働いてもらえば結構。けれども、子どもを産めるのも若い女性しかいないわけですよ。これ言うと差別だという人がいますけど、違います。現実です。いいですか、男性や申し訳ないけど高齢の女性は子どもは産めない。だから日本の人口を維持したいと思ったら、若い女性に子どもを産みたいなとか、子どもを産んだ方が安心して暮らせるなという社会状況をつくらないといけないのに、働け働けってやりすぎちゃったわけですよ。

前後を聞いても発言の趣旨自体は変わりませんが、「社会が若い女性の労働を後押ししつつ、子どもを産むメリットを感じさせていないのが少子化の原因だ」というのが主張でした。

神谷代表は演説後、「生物学的な話をしただけ」と説明し、発言の撤回はしませんでした。

一連の発言に対し、街では「確かに一概に『子どもを産めない』と言ったことは良くないと思うが、安心して産める環境が欲しいというのは国民全体が思っていること。そうじゃないと社会進出というか、社会維持はできないと思う」「子育てするに当たって、確かに体力的なことを考えると、若い時の方がいいかなと思うんですけど、そこが『高齢』という表現じゃなくてもいいのかなと思う」「この文章を切り取られたら、皆には受け入れられないことかな。特に日本は厳しいから。けど正論だと思う」「産みやすさで言ったら産みやすいとは思わない。お金はかかるし、環境は良くなっているとは思うけど、なんとも言えない世の中」などの声が聞かれました。

また、神谷代表の演説は参政党のYouTube公式チャンネルでライブ配信していましたが…。
「高齢の女性」に言及する直前で映像がカラーバーに切り替わり、音声も流れない状態に。

このことについて、参政党は公式Xで「途中、炎天下による機材トラブルのため、一部映像が乱れる箇所がございました」と説明しました。

同じ日、別の場所で行われた演説でも同様の発言をし、その部分はYouTubeに上げられています。

波紋を広げている発言について4日、神谷代表は「私が言ったのは、高齢女性は子どもが産めないという生物学的な話をしただけですよ。いくつからなんですかっていったら、60代~70代とか産めないでしょと、ちゃんと答えているのに、そこは書かないわけですよ。これが言っちゃいけないということなら、つまり少子化対策するなっていうこと。だからこれで少子化が進んできたんじゃないですか」と説明しました。

また、YouTubeでの当該部分が視聴できなかったことについては「『(YouTube動画を)消した消した』って言われて、消しませんって訂正もしませんし、私はこういう発言には1ミリも引きませんから!」としています。

少子化に関して飛び出した今回の発言。

参政党は、15歳までの子どもに月10万円の給付を掲げていますが、各党はどんな少子化対策を打ち出しているのでしょうか。

自民党は、「こども誰でも通園制度」の本格実施や、高校授業料の実質無償化など、教育費の負担軽減を加速させるとしています。

立憲民主党は、児童手当を月1万5000円に増額し、出産費用を無償化するなど、支援する地域ネットワークを推進するとしています。

公明党は、妊娠・出産の基礎的な無償化を実施し、大学生などの授業料無償化や給付型奨学金の対象拡大を掲げています。

日本維新の会は、出産費を原則、保険適用とし、出産育児バウチャーを支給して出産費用を無償化。さらに、子どもの数が多い世帯への税負担軽減を掲げています。

共産党は、大学まで無償化を目指し、専門学校を含む大学の授業料半減や入学金ゼロを実現するなど、教育費の負担軽減。

国民民主党は、年5兆円の教育国債を発行し、子育て・教育などの予算を倍増。高校までの教材費なども含めた完全無償化を掲げています。

れいわ新選組は、子ども手当の月3万円支給や、18歳までの子どもの医療費、保育料、給食費を無償化するとしています。

社民党は、大学までの無償化を目指し、奨学金を原則、給付型として、一定期間の返済後の残債免除を掲げています。

日本保守党は、国籍条項を付けたうえで、出産育児一時金の引き上げなどを目指すとしています。

少子化が進む日本の未来も決める今回の参院選。
投開票は20日です。