「おすすめの価格帯は、使う方の価値観や料理の頻度などで変わってきます。『月に数枚ハムを切る程度』という方は1000円の包丁で十分でしょうし、料理好きの方ならもう少し高い価格帯のものがオススメです」

「高価な包丁ほど“刃持ちの良さ”が違います」と林さん
「高価な包丁ほど“刃持ちの良さ”が違います」と林さん

では安価な包丁と高価な包丁では何がどう違うのか。

「実は切れ味は研ぎ方次第の部分が大きいのですが、刃持ちの良さ(切れ味の持続しやすさ)は価格で大きく変わります。そして刃持ちが良い包丁は、もともとの素材や焼入れなどの製造工程に高いコストがかかっています。そうした高価な包丁のほうが研ぐ頻度も少なく、長く気持ちよく使っていただけるでしょうし、使用年数あたりのコストパフォーマンスは高くなるかもしれません」

基準となる「4つの特性」とは

一般的に包丁の素材の特性として以下の4つが挙げられるという。

(1)「硬度」
(2)「耐摩耗性」
(3)「靱性(じんせい)」
(4)「耐食性」

これらが包丁の基礎の性能である、切れ味やその持続性、また刃こぼれや錆びに対して重要な働きをする。高価な包丁ほどこの4要素の性能が高く、バランスもよく作られているというわけだ。

「一部のホームセンターでは試し切りを実施していますが、そこでお客様に徐々に低単価のものから高単価のものに持ち替えていただくと、やはり皆さん高価な包丁の使いやすさに驚かれます。料理をある程度される方で、定期的に研いで長く使うつもりなら、信頼できるブランドの1万円程度~のものを選ばれると満足感は上がってくるかと思います」

取材・文=古澤誠一郎

プライムオンライン特集班
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