学歴詐称疑惑が浮上している静岡・伊東市の田久保眞紀市長について、市議会は4日、辞職勧告決議案の採決を7日に行うことを決めた。伊東市議会の中島弘道議長は「伊東市全体を混乱させているようなこの状況を、早く終結してもらいたい」と話した。
市議選最下位当選からの“下克上”で市長に
伊東市の市議会議員を約6年務めた田久保市長は、5月の市長選に出馬し、現職との一騎打ちを制して初当選した。

2年前の市議選では得票数727票の最下位での当選だったこともあり、今回はまさに“下克上”ともいえる勝利だった。
2日の会見で「除籍」認める
そうした中で浮上した“学歴詐称”疑惑。

市が発行した広報誌の最新号には、東洋大学法学部卒業と記載されているが、6月の市議会で学歴を偽った疑いがあると指摘された。

田久保市長は2日、記者会見を開き、実際には除籍されていたことを認めたのだ。
静岡・伊東市 田久保眞紀市長:
非常に恥ずかしい言い方ですが、勘違いしていたんだろうと言われると全く否定できない。

この会見のあとに行われた市長と市民との語る会では、田久保市長へ「市民をバカにするのもいいかげんにしろ。はっきり言って一日も早く辞任してほしい」「全てが嘘の上塗りのような気がしてなりません」といった厳しい言葉がかけられた。
一方で田久保市長を支持する声もあった。
市長と市民との語る会参加者:
もう少し寛大に市長が頑張れるかを、みんなで見守るぐらいの寛大さがあってもいいと思います。
「辞職勧告決議案」「百条委員会の設置」7日に採決・可決へ
この問題を受けて伊東市議会の議会運営委員会は4日、田久保市長に対する辞職勧告決議案について7日の本会議で採決することを決定。

同じ日に、田久保市長の学歴などについて調べる百条委員会の設置についても採決することが決まった。

辞職勧告決議案・百条委員会設置議案ともに可決される見通しだ。
「逃げ出すようなことしたくない」も一部公務キャンセル
また、伊東市の市民が週明けにも公職選挙法違反の疑いで刑事告発する方針を固めたことも分かった。

田久保市長は、2日の会見で「自分がつらいからといって、今の状況を全て投げ出して逃げ出すようなことはしたくない」などと話していたが、4日午後、静岡市で行われる会議を欠席した。

さらに、6日に予定されている夏の伝統行事「松川タライ乗り競争」など一部の公務をキャンセルしたことが分かった。
中村竜太郎さん「怪文書ではなく『内部告発書』だったのでは」
市長は「経歴は選挙中に自ら公表していない」ので法律に違反しないとしながらも、4日に予定されていた取材に応じず、姿を見せなかった。
この対応どうみるか。SPキャスターの中村竜太郎さんに聞いた。

SPキャスター・中村竜太郎さん:
逃げている印象がある。会見を見たが、何度も「怪文書」と言っていたのが引っかかった。
週刊誌は怪文書から取材して裏をとる。紙爆弾ともいわれ、選挙のときいっぱい出てくる話だが、実際に市長が除籍となっていたのであれば、怪文書ではなく「内部告発書」だったのではないか。
気になる今後の動きだが、7日に百条委員会の設置と辞職勧告決議案が提出され可決される見通しだ。
ただ、辞職勧告決議案には法的拘束力はないという。

青井実キャスター:
約40億円を超える図書館の建設の反対を訴えて、田久保市長は当選したが、市長選をやり直すことになったら、またお金がかかるという話。市民はどう思うのかですよね。
5月の市長選でかかった費用は約3000万円だった。
SPキャスター・中村竜太郎さん:
私個人としては、百条委員会で調べる類いのものではない気がする。
市民の声を反映したうえでだが、全体的に見ても市民の信用を相当失っている。個人的な意見だが、潔く身を引くべき。もう1回市長選で信を問うべきだと思う。
田久保市長は7日に臨時記者会見を行う予定だ。
SPキャスター・中村竜太郎さん:
除籍になった理由をしっかり自分の言葉で説明してほしい。言っていることがどんどんあやふやになっていって、逃げているという印象が拭えない。信用できない人ではないかと思ってしまう。
きちんと疑惑を晴らすような形で説明してほしい。
(「イット!」 7月4日放送より)