鹿児島県のトカラ列島近海で頻発している地震。

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7月2日午後、十島村の小宝島で震度5弱を観測。
早朝には、悪石島でも震度5弱の強い揺れを観測しました。

気象庁「いつ終わるかは申し上げることができません」

6月21日から10日以上も続いている群発地震。

7月3日午前4時までに観測された震度1以上の地震は982回にのぼります。
この地域では、過去にも何度か群発地震が発生。
2023年起きた地震の回数は350回ほどで、今回の地震の多さは群を抜いています。

震度5弱の地震後に小宝島で撮影された画像を見ると、木々の間に一直線にできた割れ目が。落石が発生したとみられます。
島内では2カ所で落石被害が確認されたということです。
撮影した十島村役場小宝島出張所の中村所長に話を聞くと…。

中村勝都志所長:
外で作業していたんですけど。目の前に止めていた車が、今までに自分が見たことがないくらい横に揺れるというか…。
今日(2日)でいうと震度5弱というのが正直自分も経験したことがなかったので、危機感というか恐怖を持ったというのはあります。

2日夕方、気象庁の会見では…。

気象庁地震火山部地震津波監視課 海老田綾貴課長:
いつ終わるのかということについても関心があると思いますが、残念ながらいつ終わるということは申し上げることができません。

気象庁も「いつまで続くか分からない」と話すトカラ列島近海での地震。
これまでより活発化している原因とは?また、南海トラフ地震など、今後さらに大きな地震につながる可能性はあるのでしょうか?

専門家「地震と海底噴火に注意を」

「サン!シャイン」では、東京大学地震研究所・笠原順三名誉教授に解説していただきました。

松村未央アナウンサー:
今回の地震は、過去にトカラ列島近海で発生した群発地震とはどのように違うのでしょうか?

東京大学地震研究所 笠原順三名誉教授:
もともと原因は同じなんですけども、マグマが地下から浅いところに上がってきまして、それによって起こる群発地震であると。
群発地震というのはわりと長く続く。時々大きな地震も起こります。今起きている現象は、非常に回数が多いというよりも、震度5弱とか震度4とか、マグニチュードが大きめの地震がきのう(2日)から非常に頻発していること。
それから、震源の深さが最初は20kmくらいだったんですけども、一時30kmくらいになって、きのうの地震だと非常に浅いところ。例えば、きのう午後3時26分の地震だと深さ1km。海底付近まで達していますよね。
そういうことから、マグマ的なものが海底付近まで達していることになるので、ひょっとしたら、海底噴火ということになるかもしれない。
もし仮に、海底のところに溶岩が出ると1989年に伊東沖で群発があって噴火をしたと。そういうようなことにつながるかもしれないということです。

谷原章介キャスター、SPキャスター杉村太蔵氏
谷原章介キャスター、SPキャスター杉村太蔵氏

谷原章介キャスター:
仮に噴火するとしたらどういうことに警戒しておいた方がいいですか?

東京大学地震研究所 笠原順三名誉教授:
例えば1989年の時は、その上を海上保安庁の船が調査していて、通り過ぎた後に噴火したと。非常に危険だったんですよね。航行する船舶、こういうことに注意が必要ですし、地震の方も震度5弱が起きていますけど、もう少し大きめの震度5強くらいまで。マグニチュードで言うと6クラスまでが起こる可能性もあるということで、地震と火山的なものも両方注意する必要がありますね。

渡辺正行氏:
南海トラフとは関係ないんですか?

東京大学地震研究所 笠原順三名誉教授:
直接は関係ないんですけれども、九州まで影響が及ぶとすると間接的に南海トラフに及ぶということがあるかもしれないです。
(「サン!シャイン」7月3日放送より)