最高気温を更新する暑さが続いた6月、医師は熱中症一歩手前の体調不良「熱あたり」への警戒を呼びかけている。だるさ・食欲不振・睡眠の質低下など、軽症でも放置すると夏バテや熱中症に進む恐れがあるという。対策として、エアコン使用と水分補給に加え、ビタミンやミネラル補給、ぬるま湯入浴などで自律神経を整えるなどが挙げられている。

熱中症だけでなく「熱あたり」症状に注意

6月も暑い日々が続いたが、熱中症だけでなくある症状にも注意が必要だという。

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6月30日のテーマは「熱中症手前の『熱あたり』 症状と対策は?ソレってどうなの?」だ。

6月30日の東京都心の最高気温は33.2℃。これで6月13回目の真夏日と、過去最多をまた更新した。ハンディーファンや氷のうを持ち歩く方も多く見られた。

そうした中、熱中症と並んで多くの人が悩まされているという症状が「熱あたり」だ。聞き慣れない言葉だが、街のみなさんに「熱あたり」を知っているか聞いた。

30代:
分からない。

30代:
初めて聞いた。

30代:
熱中症しか聞いたことない。

30代:
聞いたことはあるが詳しくは分からない。

30代:
言葉くらい。

この「熱あたり」という言葉、作ったのは大手空調メーカー「ダイキン工業」だ。

ダイキンの調査にも携わった済生会横浜市東部病院の谷口医師に、どういうものなのか聞いた。

済正会横浜市東部病院 患者支援センター長・谷口英喜医師:
実は、暑さによる体調不良は熱中症はほんのわずかな人たちで、もっとたくさんの方々に熱による体調不良、弊害が起こっている。「あたり」という字は、熱中症の「中」で「あたり」と読むが、中毒、体への害という意味。熱中症につながってしまう一歩手前なんだと感じてほしい。

「熱」による不調全般のことを指す「熱あたり」だが、具体的な症状についても聞いた。

済正会横浜市東部病院 患者支援センター長・谷口英喜医師:
暑さにやられて「疲れた」「食欲がわかない」「よく眠れない」。体への弊害だけでなく、仕事や勉強、スポーツのパフォーマンスに影響していると思う。

「睡眠の質の低下」や「疲れがとれない」、さらには「パフォーマンスの低下」など、ほとんどが病院に行くほどではない症状だという。そう聞いて、みなさん「熱あたり」の症状、思い当たる節はないだろうか。

20代:
夜暑くて起きたり、「だるいな」と感じることは最近ある。暑くなってきて疲れがたまっている。

30代:
最近食欲はなくなってきている。そうめんばかり食べている。

30代:
夏はいつもパフォーマンス落ちる。暑さ、疲れ、熱あたりかもしれない。

30代:
「食欲わかない」とかは夏になるとある。

30代:
夏バテみたいに。

ダイキンが男女1万4100人を対象に実施した意識調査によると、2024年の夏に、こうした「熱あたり」を感じた人は3人に2人、6割以上(64.6%)だった。このうち病院に行って熱中症と診断された人は、わずか2.2%だった。

栄養補給・エアコン使用など熱あたり対策を

青井実キャスター:
岩田さんは、熱あたりで思い当たる節ありますか?

SPキャスター岩井明子さん:
睡眠は本当に質が低下して何回も起きちゃう。パフォーマンスはダダ下がり。あとは駅にカバンを置いてきちゃったりします。最悪ですよね。あと疲れがとれない、もうだるくて。食欲だけはあります。

この「熱あたり」夏バテとも似ているが、何か違いはあるのだろうか。

済正会横浜市東部病院 患者支援センター長・谷口英喜医師:
夏バテは色々な臓器が疲れて起こる弊害。実は熱あたりを長期間放置すると、夏バテにつながると考えている。

熱あたりの対策は、基本的に熱中症対策と同様で、エアコンの使用やこまめな水分補給が大事。それ以外にも、こんな事が重要だという。

済正会横浜市東部病院 患者支援センター長・谷口英喜医師:
まず栄養をきちんと摂る。特にビタミン類やミネラル類を十分に補う。さらにシャワーやぬるま湯のお風呂に入って少しリラックスする。精神的なリラックス、これは自律神経を整えてくれる。

「熱あたり」の症状かな?と思ったら、こうした対策を早めに行って、熱中症に進むのを防ごう。
(「イット!」6月30日放送より)

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