“なつ瀧ロス”広がる!?話題のラブコメドラマ「波うららかに、めおと日和」
TSKさんいん中央テレビなどフジテレビ系列で2025年6月まで放送されたドラマ「波うららかに、めおと日和」。
昭和11年を舞台に「交際ゼロ日婚」からスタートした、新妻・なつ美と海軍中尉・江端瀧昌が織りなす初々しい新婚生活を描いたラブコメディで、SNSを中心に話題となった。
放送終了後も“なつ瀧ロス”が広がっている。
ドラマの原作者は鳥取市出身の漫画家・西香はちさん。今も鳥取で暮らしながらペンを執っている。
今回、スケジュールの都合でオンラインでTSKの取材に応じた。

原作者・西香はちさんは鳥取市出身
ドラマ「波うららかに、めおと日和」は、昭和11年を舞台に、芳根京子さん演じる・なつ美と本田響矢さん演じる帝国海軍中尉・江端瀧昌が「交際ゼロ日婚」からスタートする新婚夫婦を描いたラブコメディ。
原作は、2022年10月から大手出版社の配信サイトで連載されている同じタイトルの漫画。
作者の西香はちさんは鳥取市出身だ。
西香さんは2019年、「花と紺青防大男子に恋しました。」でデビュー。
連載2作目でドラマ化が決まった。

「木10」ドラマ化に「びっくり」
Q.ドラマ化が決まった時はどう思いましたか?
西香はちさん:
ドラマ化の話が来たときは率直にびっくりしました。それも深夜じゃなくて「木曜10時」の枠なのが本当に驚きです。
フジテレビの制作チームは「原作の世界観がとてもすばらしく、当たり前に過ぎ去ってしまう日常の『大切なひととき』がいかに尊いものなのか、初々しくも愛おしい夫婦模様から感じられたこと、また昭和11年という時代設定を懐かしく思う世代にも、新鮮に感じる世代にも、多くの方に楽しんでもらえるドラマになると思い選びました」と説明する。

「昭和11年」のラブコメ 時代設定の妙
Q.ドラマの注目ポイントは何ですか?
西香はちさん:
瀧昌となつ美がどうやって仲良くなっていくかとか…当時の生活スタイル、今とは全然違う、ちょっと不便な感じもありつつ、でも、ちょっとゆっくりした時間が流れている感じも見てほしい。あと、衣装にも注目してほしい。
ドラマでは、原作の表現が少しアレンジされているということだが、その微妙な違いも“推しポイント”なのだそうだ。
Q.なぜ昭和11年を舞台にしたのですか?
西香はちさん:
「海軍」を描きたかったのと、戦時中よりも人々の生活が豊かで明るい話にできるように、この時代にしました。
もともと「軍服」姿が大好きだという西香さん。
本田響矢さんが演じ、実写化された瀧昌の姿に大興奮だったそうだ。

鳥取出身・山本舞香さん演じる「芙美子」はイメージ通り
Q.同じ鳥取県出身の山本舞香さんが出演していますが、お話はされましたか?
西香はちさん:
現場で直接お話することはできませんでしたが、山本舞香さんが演じる芙美子は、個人的にも思い入れのあるキャラクターで、所作や姿勢や声のトーンなど全てにおいて、漫画の芙美子に非常にイメージが近く、出てくるたびに「芙美子さんがいる??」となっています。(役を)引き受けてくださったことに感謝しています。
デビュー後も鳥取を拠点に創作活動
Q.鳥取での思い出の場所はありますか?
西香はちさん:
(出身高校近くの)久松公園の桜が好きです。
Q.いつ頃からマンガを描いていたのですか?
西香はちさん:
大学生のときにイラスト研究会に入ってから描き始めました。
デビュー後も鳥取市に住み、制作をつづける西香さんは、原作のストーリーに山陰ゆかりのものをいくつか登場させている。
例えば、あるシーンの舞台を国の重要文化財、鳥取県智頭町の石谷家住宅をモデルに描いたほか、瀧昌の父は1927年8月に起きた「美保関事件」、松江市美保関沖で演習中の軍艦4隻が相次いで衝突した事故で殉職したという設定にした。

「まんが王国」鳥取に“新星” 地元も期待
鳥取県と言えば、「ゲゲゲの鬼太郎」など妖怪漫画の第一人者・水木しげるさん、「名探偵コナン」の作者・青山剛昌さん、ドラマでも人気の「孤独のグルメ」の作画を担当した谷口ジローさんなど多くの漫画家を輩出した「まんが王国」。
3人の“巨匠”に続く作家の登場に地元も期待、応援している。
鳥取市の今井書店吉成店には西香さんの特設コーナー。
ポップと一緒に直筆のサイン、単行本が並ぶ。
「波うららかに、めおと日和」のドラマ化が決まり、コーナーを拡大したそうだ。
特設コーナーの担当者・谷口真寿実さんは「西香はちさんが、『波うららかに、めおと日和』を描かれる前の作品を出されたときから、鳥取出身の作家さんということで応援しております。今回のドラマ化も大変うれしく思っております。もちろん応援していきます」と話す。
鳥取出身の漫画家だと知ってもらうことで、売り上げも好調なのだそうだ。

新たな注目作家の出現で「まんが王国」鳥取はさらに活気づきそうだが、瀧昌の言う通り、それはもちろん「問題ありません」。
(TSKさんいん中央テレビ)