6月28日、北海道南部の八雲町のJR函館線野田生駅構内で、JR北海道の特急が線路内に取り残された缶にぶつかりました。
ケガをした人はいません。
JRを巡っては、3日前にも線路上に放置された測定器などにぶつかった事故が起きたばかりです。
JRによりますと、28日午前11時10分ごろ、函館発札幌行きの特急北斗7号が野田生駅を通過しようとしたところ、防草シートを敷く作業をしていた作業員が線路内に取り残した容器「ペール缶」2缶にぶつかりました。
特急の乗客・乗員206人にケガをした人はいません。
ペール缶はいずれも直径300ミリ、高さ350ミリで、鉄製(重さ1.2キロ)とプラスチック製(重さ0.8キロ)でした。
缶の中には防草シートを固定する鉄製のピン(直径9ミリ、長さ40センチ、重さ約200グラム)が約30本ずつ入っていました。
缶の重さは、それぞれ7キロほどになっていたとみられます。
JRは「いずれも非常に軽量で、接触で列車が脱線する危険性はありませんでした」としています。
当時、野田生駅構内ではJRが発注した会社の男性作業員16人が線路際に防草シートを敷いていました。
特急が近づいて来たため、線路内にいた作業員12人は特急の通過前に線路外に待避。上下線には見張りが1人ずついました。
一方で、駅舎にペール缶を取りに戻っていた男性2人は特急が来ることを認識せず、下り線内でペール缶の運搬準備をしていました。
その後、2人は駅構内に近づく特急を目視し線路外に逃げましたが、ペール缶を線路内に取り残し、特急とぶつかったということです。
JR北海道によりますと、列車にはね飛ばされた2つのペール缶は回収しましたが、ペール缶の中に入っていた鉄のピンを全て回収したのかは分かっていません。
JR北海道では3日前の6月25日にも、JR千歳線の新札幌駅構内で線路上に放置された測定器と函館線の七飯ー新函館北斗間で木の伐採作業をしていた作業員が使うバッテリーケースに、いずれも貨物列車が接触する事故が起きたばかりです。
3件の事故は、いずれも工事を請け負った業者によるものです。
JR北海道は「請負会社を含め、注意喚起していたにもかかわらず、同様の事象を発生させたことを重く受け止め、再発防止に取り組んでいく」とのコメントを発表しました。
JR北海道を巡っては、相次ぐトラブルを受け、2025年5月から、国の「強化型保安監査体制」が適用されています。