機体の不具合により延期となっていたH2Aロケット50号機の打ち上げがいよいよ29日未明に迫っています。
約25年の歴史に幕を下ろし、今回が最後の打ち上げとなるH2Aロケット。
種子島宇宙センターがある鹿児島県南種子町では、打ち上げ成功に向けた期待が高まる中、27日午後に開かれた会見でJAXAの関係者が意気込みを語りました。
種子島の南に位置する南種子町です。
打ち上げを目前に控えた街には、H2Aロケットへの感謝の思いをつづった旗やポスターが並んでいます。
こちらの酒店では6月16日から、50号機の打ち上げを記念して、2種類の芋焼酎を販売しています。
1つ目の焼酎のラベルに記されているのは、2001年の1号機から49号機まで全ての機体の打ち上げ日時。
もう1つの焼酎には50号機に搭載される観測衛星「GOSATーGW」の画像がラベリングされています。
それぞれ限定500本ずつで販売されている打ち上げ記念焼酎。
気になるそのお味は…
轟木康陽記者
「焼酎が苦手な人でも飲みやすい味。宇宙のロマンを感じる味です」
発売当初から打ち上げ関係者を中心に購入する人が多いということで、27日も店には記念に買い求める客の姿がありました。
打ち上げ関係者
「初めて自分で携わった記念と思って買った。家族は長野なのでお盆休みに帰って一緒に飲もうかなと」
焼酎はすでにほとんど売れ、あと数本しか残っていないということですが、店では既に増産を決めています。
上妻酒造・上妻寛大さん
「とにかくいつも通り普通に打ち上がって成功を迎えるということだけを祈っている。成功の暁には祝杯を皆さんであげてもらえたら」
また、種子島宇宙センターの展望台には打ち上げ2日前にも関わらず、射場を撮影しに来たファンの姿がありました。
射場を撮影しに来たファン
「優秀な人がそろっているから完璧に打ち上がってもらいたい、ただそれだけ。全然心配していない 大丈夫だと思う」
打ち上げ関係者や地元の人々など多くの人の歴史と思いが詰まった50号機。
27日午後、種子島宇宙センターで開かれた会見では、JAXAの小島寧プロジェクトマネージャが打ち上げへの意気込みを語りました。
JAXA GOSAT-GWプロジェクトチーム・小島寧プロジェクトマネージャ
「延期にはなったが、改めてその間感じたのは色々な人の思い。緊張感を持ちつつ打ち上げ、運用に集中していきたい」
今回、H2Aロケット50号機に搭載される観測衛星「GOSAT-GW」は、海面水温や降水量などの観測による台風や集中豪雨の予測精度向上や、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの観測による気候変動の実態把握への貢献などが期待されています。
世界最高水準の打ち上げ成功率約98%を誇り、H3ロケットに移行することから、今回が最後の打ち上げとなるH2Aロケット50号機は、29日、日曜日の午前1時33分に種子島宇宙センターから打ち上げられます。