真夜中に派手なネオンがきらめき続ける東京・歌舞伎町。
しかし今、この歓楽街にあるホストクラブの看板に異変が起きています。

多くの看板で、一部の箇所がテープのようなもので隠されています。
一体なぜなのでしょうか。

そして27日も、看板に白い紙などを貼っている様子がみられました。

隠された部分をよく見ると、「セールスNo.1」という文字や「1億円オーバー」などといった文字が書かれていたことが分かります。

Heaven・黒美優希斗さん:
歌舞伎の顔・象徴。そこら辺は悲しい。

実は、ホストクラブにおけるこうした広告の文言などに28日午前0時から規制が強化されるというのです。

背景にあるのが、ホストクラブにおいて客の恋愛感情につけ込み高額な飲食を要求する、いわゆる“色恋営業”。
客がホストに多額の現金を貢ぐために金銭をだまし取ったとされる事件も発生するなど、悪質なホストクラブの存在が社会問題化しています。

こうした中、28日から改正風営法が施行。
ホストクラブを巡る様々な規制が強化され、広告や宣伝についても対象になります。

どのような広告が問題となるのでしょうか。

以前、歌舞伎町で撮影されていた店の広告看板を見てみると、「生涯売上10億突破」「指名本数No.1」「ファーストに溺れろ」などの文字がありました。
さらには「覇者」「WINNER」などの称号や「取締役会長」、そして「総支配人」など肩書の文字もホスト街には氾らんしていましたが、これらは全て規制の対象に。

警察庁の指針では、ランキングや売り上げなどを強調する文言は客が特定のホストのために高額の飲食をしたり、違法行為を助長させるような雰囲気を作り出すとして、規制違反とみなされます。

以前、「代表取締役/1100万オーバー」などと書かれていた看板は赤いペンキで塗り潰され、急きょ修正された様子がうかがえます。

現役ホストからは「厳しい…姫(女性客)のモチベーション維持が難しいと思う。『俺が何万売り上げた中、私がほとんど出してる』とか、そういう結果を見られなくなるのは悲しい。どうしても納得はいかない」という声も聞かれました。

Heaven・金咲勝利さん:
看板とか見てモチベーションあったけど、そんなに関係はない。

Heaven・黒美優希斗さん:
トーク力とか接客業が本業なんで、色恋が全てではないので。別に厳しくしてもいいのかなって。

ホスト業界に詳しい佐々木チワワさんは、今回の法改正は業界を大きく変える可能性があると指摘します。

ホスト業界に詳しいライター・佐々木チワワさん:
歌舞伎町業界かなりてんやわんや。かなり売り上げは下がる可能性がある。「お金を使ってもらう方法」「応援してもらう方法」を変えないと。

今回の法改正では、広告規制の他にも、女性客に料金を支払わせる目的で売春や性風俗店で勤務を求めることなども禁止され、違反した場合は6カ月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金を科すとしています。