ネット上に出回るフェイク動画。

24日に、他に先駆けて“ゆうちょ銀行”や“バス無料”に関するフェイク動画の存在をお伝えしましたが、新たな展開がありました。

ということで、27日のテーマは「高齢者を狙うフェイク動画まだまだあった」ソレってどうなの?です。

先日、番組で報じた生成AIで作られたとみられる「ゆうちょ銀行」のルール改正をうたったフェイク動画。
“まもなく預金が引き出せなくなる”などと嘘の内容を紹介しています。

ゆうちょ銀行はホームページで注意を促しました。

福岡市などで“7月から高齢者のバス利用が無料になる”という動画。
もちろん、これも全くの嘘です。

現場では業務に支障が出ています。

福岡市高齢福祉課・久田惣介課長:
「バスが無料になるとの動画を見た」とか…、問い合わせが(約1週間で)70件以上で、中には窓口までご足労いただき問い合わせとなってしまったような事例も。

こうしたフェイク動画は他にもありました。

“エアコンのボタンを押すだけで電気代がかからない”と伝える動画。
サムネイルの右上を見ますと、「ダイキン公式」と書かれています。

同じチャンネルにはダイキン公式をうたった別の動画も。
ダイキンに取材したところ「当該動画は弊社とは一切関係がございません。弊社と関係のない製品を販売するサイトなども確認されており、こうした弊社の社名をかたる情報や広告などにご注意ください」と回答がありました。

このフェイク動画を実際に街の皆さんにも見てもらいました。

50代・80代:
「公式」と言われると飛びついちゃうかも。「公式」というのが…。信じちゃう。

20代・50代:
「ダイキン公式」って書いてある。ああ信じるかも。

20代:
「ダイキン公式」と書いているがチャンネル名がよく分からないから信ぴょう性低い。AIっぽい。怪しく思う。

30代:
「ボタン押すだけ」ってなると、どうなのかなと思う。

今回話を聞きますと、「信じてしまう」と答えた方は年配の方に多く見られました。

ダイキンをうたうフェイク動画は、別のチャンネルにも全く同じタイトルでありましたが、動画の人物は別人です。

高齢者層の関心を引こうと、チャンネル名には「長寿」「シニア」といったワードが入っています。

中には、再生回数が265万回の動画もありました。

再生回数を稼いで広告収入につなげることが目的とみられています。

SPキャスター・柳澤秀夫さん:
(Q. どうですか?だまされますか?)世の中にうまい話ってそうないですからね。まずは疑ってかかるということでしょうけれども、公式って言葉につられてしまうというのはあると思います。でも“人を見たら泥棒と思え”って昔、僕言われたんですけど“動画を見たらフェイクと思え”というのは、ある程度そうならざるを得ない時代かもしれませんね。

SNSの偽情報は政治の世界でも。
政治家の発言を、わざと誤解をさせるように編集した切り抜き動画などが問題となっています。

7月に行われる参議院選挙を前に27日、与野党7党がSNSの偽情報や他の候補の当選目的で立候補するいわゆる「2馬力選挙」の対策について声明を発表しました。

自民党・逢沢一郎選挙制度調査会長:
民主主義の根幹をなす選挙において、SNS上に偽情報、誤情報が数多く流出している。いわゆる「2馬力」の問題についても、われわれも重大な懸念を持っている。

ではフェイク動画や切り抜き動画を見破るにはどうすればいいのでしょうか。

ITジャーナリスト・三上洋さん:
「企業や自治体の公式」と称するものを投稿していても、そのアカウントの過去の投稿を見れば分かるはず。アカウントのプロフィールやそのチャンネルのトップページを見に行って信用できる本物なのかとういうことを確かめることが大事。もうひとつは情報の比較。他のニュース記事やSNSでどのように扱われているかを見て、本当にその情報、現状が起きているのかということを確認する必要がある。

ネットにはびこる偽情報にだまされないように気を付けましょう。