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プレスリリース配信元:学校法人明治大学

−明治大学商学部加藤拓巳准教授とパナソニック コネクト株式会社の共同研究成果がHumanities and Social Sciences Communicationsに掲載−




 多様性は、組織パフォーマンスを促進することもあれば、阻害することもある諸刃の剣であるにもかかわらず、多様性の効果を得るための環境整備の知見はいまだ乏しいです。そこで本研究は、多様性を属性(性別、年齢、国籍)、価値観、スキルの3つの側面に分類し、その交互作用を評価しました。パナソニック コネクト株式会社の社員3,000名を対象とした調査データを分析した結果、属性多様性のみでは社員態度に有意な影響はありませんでした。しかし、属性多様性に価値観多様性とスキル多様性を掛け合わせることで、仕事の意義と組織の帰属意識に正の影響を与えることが確認されました。目に見える多様性ばかりに注目しがちですが、目に見えにくい社員の価値観やスキルにも目を向けて、人材のマネジメントをする必要があります。本研究はパナソニック コネクト株式会社と明治大学商学部の加藤拓巳准教授の共同研究の成果で、「Perceived diversity and skill diversity to utilise demographic diversity: Evidence from the factors of employee attitudes in a large Japanese company」は、2025年6月20日にHumanities and Social Sciences Communications (Springer Nature)に掲載されました。

【論文情報】
Kadomura, A., Sekiguchi, A., & Kato, T. (2025). Perceived diversity and skill diversity to utilise demographic diversity: Evidence from the factors of employee attitudes in a large Japanese company. Humanities and Social Sciences Communications, Springer Nature.
DOI  https://doi.org/10.1057/s41599-025-05245-5

本研究のポイント
- 多様性は組織パフォーマンスを促進することもあれば、阻害することもある諸刃の剣です。多様性の効果を得るためには、それを活かせる環境の整備が不可欠ですが、この知見は限られています。その理由の一つとして、多様性に関する議論では、年齢・性別・国籍などの属性の多様性の観点からのみ検討され、他の多様性の側面との関連性が軽視されやすい傾向が考えられます。
- そこで本研究は、多様性を属性、価値観、スキルの3つの側面に分類し、その交互作用を評価しました。パナソニックコネクト株式会社の社員3,000名を対象とした調査結果を分析した結果、属性多様性のみでは社員態度に有意な影響はありませんでした。しかし、属性多様性×価値観多様性が仕事の意義に正の影響を与え、属性多様性×スキル多様性が仕事の意義と組織の帰属意識に正の影響を与えることが確認されました。その反面、属性多様性×スキル多様性は、社員間の競争を激化させる懸念があり、バーンアウトのリスクを高める可能性があります。
- 本研究の結果が示すとおり、企業は単なる属性多様性に過度な期待を抱くべきではありません。年齢、性別、国籍など多様な人材を採用するだけでは、組織パフォーマンスの向上は困難です。目に見える多様性ばかりに注目しがちですが、社員の価値観やスキルにも目を向けて、人材のマネジメントをする必要があります。


この記事に関連するページ
加藤拓巳准教授ホームページ
https://takumi-kato.com/

加藤拓巳准教授の研究紹介記事「マーケティングとは、販売を不要にする価値づくり」(Meiji.net)
https://www.meiji.net/business/vol429_takumi-kato

受験生のための学部選択ガイド Step into 商学部
https://www.meiji.ac.jp/stepinto/shogaku/

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