歯の金属は有害ミネラルと呼ばれ、体内に過剰に蓄積されて排出できなくなると、肌荒れやアレルギー性皮膚炎、不眠、慢性疲労感、うつ症状、胃腸障害、頭痛や肩こり、脱毛などの健康被害を引き起こすことがある。

「今の20代以下の人には使用されていないので大丈夫ですが、40代以上の方は確認が必要です。
歯科金属によるアレルギーは、時間が経ってからある時急に手や顔に赤いぷつぷつが出始めたり、指先がかゆくなったり、手のひらに湿疹が出てきたりと皮膚に症状が出ることが多いです。
また、特に不調を感じていなくても、古い金属は経年劣化によって歯への不適合が生じて虫歯や歯周病の原因になります。口の老化を防ぐためにもプラスチック系樹脂やセラミックに交換して、口の中をメタルフリーにすることをおすすめします」
条件付きで保険適用の「CAD/CAM冠」
メタルフリー治療と聞くと、セラミックやジルコニアといった実費負担を思い浮かべ、予算的にためらう人も多いのではないか。
しかし小川院長によると、小さい詰め物だったら保険適用のプラスチック(コンポジットレジン)で詰め替えが可能だという。

虫歯治療であればCAD/CAM冠(キャドキャム冠)も保険適用だ。
見た目だけを主訴とする場合は保険適用にならないが、虫歯治療後の詰め物としてなら保険の対象となる。
専用の機械で患者の歯型のデータをスキャンして、詰め物や被せ物を作る治療方法で、短期間の治療で費用も抑えられる。

口腔内の一定の条件を満たす必要があるが、プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた材料で自然な仕上がりとなる。
ただ、長期的に見た場合は、強度や変色、優れた耐久性などの観点から、セラミック治療には劣るという。