熾烈な地上戦が繰り広げられ、多くの尊い命が奪われた沖縄戦から80年の慰霊の日です。
沖縄全戦没者追悼式が行われる糸満市の平和祈念公園から中継です。
山城志穂記者:
沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁です。
真夏の太陽が照り付ける中、私たち沖縄県民にとって大切な節目の一日を迎えています。
今年の追悼式には国連の中満泉事務次長や、2024年ノーベル平和賞を受賞した被団協の田中重光代表委員も参列します。
沖縄戦から80年の慰霊の日。「平和の礎」には朝早くから多くの遺族が訪れ、亡き肉親の名前を指でなぞったり花を手向け静かに手を合わせていました。
喜舎場達生さん(74):
親父の兄弟これは先の奥さんこれは親父の弟。名前だけはわかるけど顔とかは分からない。今から平和しか願わんよ
安里紀子さん(71):
父ちゃんは学徒生でとても大変だったみたいそんな話をポツポツとしかしなかった。もうちょっと話を聴けば良かったと思うあまり戦争の話をしなかった
県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦。80年の歳月が流れ戦争体験者から直接話を聞く機会が減っていくなかで、今年、沖縄戦の史実を歪めるような発言が飛び交う出来事もありました。
こうした発言に対し、「今年は未来に向けて記憶をつなぐ始まりの年だ」と力を込める体験者の言葉が取材を通して多く聞かれました。
先人たちの不断の努力により築かれてきた平和。沖縄戦の悲劇を風化させることなく次の世代にいかに継承させていくか戦後80年目の夏、私たちにバトンが託されています。