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プレスリリース配信元:三幸エステート株式会社

~コロナ後のオフィスに求められるものとは~




三幸エステート株式会社※1は賃貸オフィスビルに関する各種データを活用し、筑波大学 不動産・空間計量研究室※2と共同でオフィス市場の動向に関する調査を行っています。今回は2000年以降に竣工した大規模ビルにおける各種アメニティの設置傾向に関する調査結果を公表します※3。
※1 本社:東京都中央区、取締役社長:武井重夫
※2 所在:茨城県つくば市、主宰:堤盛人教授
※3 この調査は、筑波大学大学院 青木日花らが執筆し、第71回土木計画学研究発表会・春大会にて発表した研究論文の一部を  
要約したものである

調査の背景と概要
 社会の変化と共にオフィスビル自体にも変化が見られます。コロナ禍以降、「出社したくなるオフィス」が求められる中で、オフィスの役割は多様化しています。具体的には多様な働き方を実現するラウンジや、活発な議論を促す会議室、ワークライフバランスに配慮した託児所やフィットネスジム等、様々なアメニティをオフィスビルに設置するケースが増えています。
 今回の調査では、2000年から2024年までに竣工したビルのうち、1フロア面積200坪以上・延床面積3,000坪以上の大規模ビル233棟を対象に、24種類のアメニティ【図表1】について、設置傾向を調査しました(【付録】参照)。



アメニティの設置率
 アメニティごとの設置状況を見ると、BCPやセキュリティ対策に関連する防災・防犯設備の設置率は90%以上に達しています【図表2】。経営層や一部の業種が必要とする駐車場・車寄せも、それぞれ96%、75%と高い設置率を示しています。企業にとって必要不可欠と考えられる「企業向けのアメニティ」ほど、導入が進んでいる傾向にあります。また、従業員の昼食ニーズに対応するコンビニエンスストアやレストランも、60%以上のオフィスビルに整備されています。
 一方で、従業員の多様な働き方の実現を目的としたラウンジや屋上テラスの設置率はそれぞれ16%、9%に止まっています。ワークライフバランスを支えるフィットネスや託児所の設置率も14%程度です。このような傾向は、近年注目されている「従業員向けアメニティ」の整備がまだ限定的であることを表しています。



竣工年別に見たアメニティの変遷
 設置率が40%以下のアメニティについて竣工年ごとの設置傾向を見ると、ラウンジ等、2020年以降竣工したビルに多いアメニティもあれば、フレキシブルオフィスやリフレッシュコーナーなど、2000~2004年の竣工ビルに多く設置されるアメニティがあることも分かります【図表3】。



 多様な働き方を実現するラウンジの設置率は、2000~ 2004年に竣工したビルでは10%に止まっていますが、2020~2024年に竣工したビルでは45%と約4倍にまで上昇しています。同様に、植栽スペースやくつろぎの場として設けられる屋上テラスは28ポイント、屋外緑地空間は40ポイント増加しました。また、中庭や壁面緑化は 2000~2004年竣工ビルには導入例が確認されなかったものの、2015年以降に竣工したビルでは7~10%程度に拡大しています。更に、フィットネスや託児所のような従業員のワークライフバランスを支えるアメニティも、16 ポイント増加しました。これらの傾向は、オフィスに従業員向けの柔軟に働ける場やくつろげる場所、自然を取り入れる動きが広がっていることを示しています。
 反対に、リフレッシュコーナーは7ポイント減少しており、禁煙への対応が進んだことが減少した要因の一つだとみられます。また、フレキシブルオフィスも2000~ 2004年に竣工したビルの方が多くなっていますが、その内6割が竣工後、特に2017年以降に追加で設置されたものです。こちらもラウンジ同様、近年設置が増加しているアメニティであり、働き方の変化に合わせた既存ビルの付加価値向上を目的とする設置や、まとまった面積の空室をフレキシブルオフィス事業者が賃借するケースの増加が背景にあると考えられます。
 今回の調査では、過去25年間のビルの変遷を通じて、ラウンジや屋外緑地空間、フィットネス等の「従業員向けのアメニティ」の設置が拡大している傾向が明らかになりました。働き方が多様化する中で、こうしたアメニティは従業員の満足度向上とともに、企業の採用強化や対面でのコミュニケーション促進に寄与し「出社したくなるオフィス」づくりにおいて、ますます重要な要素となることが考えられます。











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