美しい草原がある風景をたたえる「未来に残したい草原の里100選」に、福井県勝山市の池ヶ原湿原が選ばれた。かつて、幼少期の悠仁さまが虫取りに夢中になり駆け回った草原でもある。

悠仁さまも網を片手にトンボを追った草原

選定は、自然豊かな草原で培われてきた知識や技術、人々の思いを次世代へと受け継ごうと2022年から始まった。京都大学名誉教授の湯本貴和氏や養老孟子氏などが選定委員を務めている。
 
これまでに全国で53カ所が選定され、2025年は池ヶ原湿原を含む4つの草原が選ばれた。福井県内からの選出は初となる。

多様な動植物が共生
多様な動植物が共生
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標高約600メートルに位置する池ヶ原湿原は、絶滅が危惧される植物・ミズチドリや野生のレンゲツツジが県内で唯一、群生している。

希少な多年草ミズチドリ
希少な多年草ミズチドリ

2013年夏には、秋篠宮ご夫妻や真子さまとともに勝山市を旅行された悠仁さまが、池ヶ原湿原にも足を運ばれた。当時、悠仁さまは網を片手に、トンボをはじめとする昆虫を追いかけて草原を駆け回られたという。

トンボが羽を休める姿も見られる
トンボが羽を休める姿も見られる

希少植物を守る活動を継続

多様な植物や昆虫が生息する自然環境が保たれている背景には、住民らの活動がある。
 
実は放っておくと一面に背丈のイネ科の植物ヨシが生い茂り、日光を遮られた小さな動植物の成長を妨げてしまう。そこで、企業や市民団体でつくる「池ヶ原湿原保全・活用協議会」が定期的にヨシを刈り取ったり、外来種を駆除したりと活動を続けているのだ。

背丈よりも高いヨシを刈り取る市民ら
背丈よりも高いヨシを刈り取る市民ら

刈り取ったヨシの一部は、地元の小学生がストローにし、プラスチック削減について考える契機にもなっている。
     
今回の選定に当たっては、こうした活動こそが持続可能な社会の実現に欠かせないとして評価された。

ヨシを使った天然素材のストロー
ヨシを使った天然素材のストロー

市や協議会では、定期的に自然観察会や外来種駆除のボランティア募集をするなどし、市民の関心を高める活動を続けている。

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福井テレビ
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