日本百名山の1つに数えられる、北海道倶知安町のシンボル「羊蹄山」のふもとで、無許可の大規模工事や、違法な森林伐採が行われている問題。

「サン!シャイン」が建設会社を取材したところ、「(外国人建設主は)個人の方です、中国だかどっかの方で、エンジニアさんやられている」という回答が得られました。

取材から1週間。地元自治体での注目度も上がり、北海道の鈴木直道知事は「悪質性があると思う、手続きがなされてないのは遺憾に思います。無秩序に開発が行われないよう、森林伐採や土地開発に関わるルールの徹底をしていく」と発言。

16日に行われた倶知安町議会では、今回の問題について、“4つの違反行為”が指摘されました。

倶知安町 文字一志 町長:
今回問題となっている工事につきましては、木の伐採行為は「森林法」、建物の建築については「建築基準法」、そして土地の形状上変更は「都市計画法」と「景観法」、この4つの法律が該当しているところでございます。
指摘された「4つの違反行為」
文字町長が指摘した4つの違反行為。
まず「森林法違反」について。今回の大規模開発では、羊蹄山のふもとで始まった“無許可の森林伐採”が、大きな問題とされています。

2025年3月の時点では道路のすぐ横に広がっていた森が、6月には多くの木が伐採され、電柱まで立てられていました。

北海道の立ち入り調査では、約3.9㏊が、伐採されていたことが判明。
1㏊以上の森林の伐採には、事前に行政の許可を得る必要がありますが、無許可で伐採を行ったとして、6月4日に工事の中止を勧告しました。

許可を得ずに伐採したことについて、建設会社は「サン!シャイン」の取材に対し、「下請けさんが誤って木を切ってしまった」と話しています。

さらに、都市計画法では、1㏊を超える開発は知事の許可を得る必要がありますが、北海道によると、これも申請されていないため、「都市計画法違反」となります。

また、「景観法」に基づき、倶知安町が定めた条例では、3000㎡を超える森林伐採は、町に届け出が必要ですが、いまだ提出されず。

建物の構造・安全性、耐火性などを定める法律「建築基準法」で規定されている、建築前に行う「建築確認申請」もされていないということです。

行うべき申請がなされていないずさんな工事。
建設主の外国籍の人物に土地を販売した不動産会社の弁護士に、現状をどのように受け止めているのか取材すると…。

土地を販売した会社の弁護士:
なぜこのようなことになったのか、建設会社に確認をしています。
今は、周辺の土地を所有する会社の責任として、行政の指導のもと植栽などの作業を行っています。本来、建設会社は、法令を順守して施工行為をやらなければなりませんが守られていません、そこに憤りを覚えます。

実際に現場には、新たに植栽されたとみられる木々が確認できました。
他にも…海外サイトで販売
16日に行われた倶知安町議会では、今回問題となった土地に近い場所で進行している、別の開発計画も議題に挙がりました。

倶知安町 波方真如 町議:
今建築をしていると思われる場所が、「ファイブスターホテル」などと書かれて、実際、スキーエリアとか、どこまで本気で建てようとしているか分からないですが、こういった計画があります。

波方町議が指摘したのは、外国人向けとみられる「ニセコ区域の開発計画」です。
計画書には、現在、問題となっている地域付近に、新たにリゾート施設を建設することが記されていました。

さらに、付近の開発計画は他にも。中国語で書かれたサイトで販売されていたのは、羊蹄山のふもとに造られた一戸建ての宿泊施設、40棟です。
倶知安町内の森林で計画されている、数々の大規模な開発。
誰がどのような目的で行っているのか、北海道や自治体は、全て把握できているのでしょうか?
問題の土地のすぐ近くの土地を購入したという、外国籍の男性は…。

近くの土地を購入した 外国籍の男性:
ニセコはこれから投資する価値があると思っていたので、購入しました。
そもそもめちゃくちゃ安い値段で買ったので、逆に今回の報道で話題になっているので、値段は上がるんじゃないかと思っています。
(「サン!シャイン」 6月18日放送)